理論で説明されるエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/01 02:29 UTC 版)
「統一成長理論」の記事における「理論で説明されるエピソード」の解説
統一成長理論は、経済成長過程における次のようなエピソードを説明することができる。 人類史の大部分を占めるマルサス的停滞の時代 マルサスの罠からの脱出 成長過程の中心要素としての人的資本の台頭 出生率低下の兆候 持続的経済成長の近代の原点 近代の200年間に国々の間で経済格差が拡がったことの起源 統一成長理論によれば、人類の経済成長の歴史は以下のように整理することができる。まず、人類史の大部分において技術進歩は人口増加によって相殺されていた。マルサスの定常状態均衡では技術進歩と人口増加のペースが鈍く、技術進歩の潜在的な成果は、長期的に人口増加によって食いつぶされ、生活水準の向上につながらなかった。しかし、ゆるやかに技術進歩と人口構成との間の相互作用が強まり、技術進歩率は高まると、これに適応するために資源配分が人的資本への投資である教育へと向けられ、出生率が低下した。すると、技術進歩の成果が人口増加ではなく生活水準の改善に向けられるようになり、さらなる技術進歩を促進し、生活水準の持続的な成長が可能になった。さらに、国々の間で生物地理学的形質・文化的形質・制度的形質が違うことから、停滞から成長への移行ペースの違いが生まれ、その結果、近代の200年の間に経済格差が拡がった。
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