現実世界への登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:53 UTC 版)
米国に於いて『刑事コロンボ』が第7シーズン(英語版)に差し掛かっていた1978年、コロンボを演じるピーター・フォークはディーン・マーティンが司会を務める当時の人気バラエティ番組、『ザ・ディーン・マーティン・セレブレティ・ロースト(英語版)』にフランク・コロンボ警部として招待され、同年7月2日、フランク・シナトラが副司会を努めた同番組にフォークはドラマそのままの刑事コロンボの姿で登場。8分余りに渡って刑事コロンボのパーソナリティに基づいたスピーチを行い、終始出演者と聴衆の爆笑を誘った。 スピーチの中途、コロンボは(作中でよく見せる行動と同じように)壇上からマーティンにナプキン、ジョナサン・ウィンタースからペンをそれぞれ借り、副司会のシナトラに対してナプキンにサインしてくれるようにせがむ一幕が存在するが、この時コロンボはサインの宛名書き(英語版)について、最初は「コロンボ警部補へ」、次に(シナトラのファンであるという設定の)カミさんの名義を足して「コロンボ警部補とコロンボ夫人へ」、次いでカミさんと自身の名義の順序を入れ替えて…とあれこれと逡巡した挙げ句、最終的に「ただ"ローズへ"とだけ書いて」とシナトラに要望した(この時、会場は最大級の笑いと拍手に包まれた)。その後、コロンボはシナトラにカミさん謹製のラザニアを贈呈し、「鍋はわざわざ洗わなくていい、テフロン製だからスチールウールを使うと、傷がつく。ただ、水ですすぐだけでいい。住所が入ってるから、送ってくれ」と、長々と注意を送った。次に、テレビを皆で見ているというカミさんを始めとするコロンボの親戚一同にアカペラで歌ってほしいと要望するが、この時シナトラはカメラに向かって手を振りながら「やぁ、(ローズの愛称とみられる)ロージー!」と呼びかけた。 なお、フランク・コロンボの英語版の記述に依ると、設定上はコロンボの実の姉妹にも「ローズ」という名前の人物が存在するとされているが、この一連のやり取りの中でコロンボが言及した「ローズ・コロンボ」という人物は、スピーチの文脈上は「カミさんの本名」であると解釈されるものであり、米国のファンの間ではこの時のスピーチが、フォークがコロンボのパーソナリティの下でカミさんの本名に言及した史上唯一のシーンであると認識されている。
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