現存するレースの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/27 03:23 UTC 版)
「ニードルレース」の記事における「現存するレースの種類」の解説
15世紀から16世紀頃に隆盛したドロンワーク (drawn threadwork) 、カットワーク (cutwork) 、レティセラ (reticella) は、ニードルポイント (布地に刺繍したもの) であるため、ニードル・ポイント・レースとよばれるが、厳密にはニードルレースには含めない。以下、ニードルレースの主な種類を挙げる。 プント・イン・アリア (punto in aria) (1620年頃から1650年頃) イタリア語で「空中ステッチ」の意味。生地なしで糸だけで作られた、最初の正規のニードルレースである。幾何学模様を特徴とする。 ポワン・プラ・ド・ヴニーズ (point plate de Venise) (1630年頃から1650年頃) 完全に幾何学模様ではないニードルレース。グロ・ポワン・ド・ヴニーズとは異なり、模様に浮き上がった部分がない。 グロ・ポワン・ド・ヴニーズ (gros point de Venise) (1650年頃から1670年頃) 彫刻的な美しい外観をもち、男子服に良く似合う重厚なニードルレース。50本の糸の束をモチーフの輪郭につけ、モチーフはピコットステッチのブリッドで自由につながれた。 ポワン・ア・ラ・ローズ (point à la rose) グロ・ポワン・ド・ヴニーズに似ているがブロッドが非常に細かい。モチーフは非常に小さいポワン・プラ・ド・ヴニーズの変形。19世紀になってからこの名称が使われるようになり、17世紀レースのテキストで用いられる。 ポワン・ド・フランス (point de Français) (1670年頃から1690年頃) 単純で幻想的なモチーフであり、六角形の網目はボタンホールとピコットが特徴である。 ポワン・ド・ネージュ (point de neige) (1680年頃以降) 厳密なブロッドがなく、ピコットの集積と極小のモチーフを特徴とする。ボビンレースのポワン・ド・ネージュとは異なる。ヴェネツィアで考案された最後のニードルレースである。 アランソン・レース (Alençon lace ,point d'Alençon) (1700年頃以降) 地模様が単純な網目であり、モチーフはボビンレースに酷似している。 アルジャンタン・レース (Argentan lace ,point d'Argentan) (1730年頃以降) アランソン・レースのデザインより目の詰んだものが多いが、1750年以降区別できなくなる。 ポワン・ド・スダン (point d'Sedan) (1740年頃以降) 1740年頃まではポワン・ド・フランスと同じ地模様であったが、アランソン・レースと同じ特徴をみせるようになる。非常に豊富な大きなモチーフを特徴とする。インドやペルシャの影響が見られる。 ポワン・ド・ガーズ (point de gaze) 技法はアランソン・レースに似ている。しばしばボビンレースに結合して使われ、大きなデザインの大きな作品となった。
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