犯行前後の行動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 02:30 UTC 版)
自白によれば、Aは犯行の4、5分前に校庭で小学校時代の同級生Cと出会い、自分から声をかけて言葉を交わしたという。これについて若穂井は、直前に現場で友人に出会って自分から和やかに会話しておきながら、直後に犯行に及ぶことは犯人の心理として考えられない、と主張した。 直接の殺害行為についてもAは、ナイフを長ズボンと靴下の下に隠し持ち、Bを追いかけながらナイフを右手で抜いたが、鞘は靴下の中に残ったと自白している。ところが若穂井によれば、その自白には、一旦立ち止まる、ズボンをたくし上げる、屈んで左手で鞘を押さえる、などの不可欠な動作が欠けている。また、騒がれたら逃げるつもりであったと供述している一方で、わざわざ自転車を降りて走ってBを追いかけたと述べている。事件後の行動についても、犯行現場から逃走するならば、最も近い南門から逃走するのが自然であるにもかかわらず、Aはわざわざ校庭を横切って最も遠い東門から逃走したと自白している。 Aは、犯行後は付近の書店とスーパー(ナイフを購入した店舗)で漫画などを立ち読みし、母がパート勤務から戻って家に入れるようになる17時過ぎに帰宅してから、自室で手に血が付いていないか確認したと述べている。これについても若穂井は、犯行直後に雑踏の中で悠然と立ち読みをし、帰宅するまで返り血について確認もしないということは考えられない、と訴えた。さらに、Aはスーパーで立ち読みしている際、クラスメイトに背後から目隠しされ「誰か僕を捕まえに来たのかとびっくりしてしまいました」と述べている。しかし、その印象的な内容にもかかわらず、Aは取調官からこの事実を指摘されてもなかなか思い出せなかった。また、Aを驚かせたクラスメイト当人も、その時のAにまったく驚いた様子はなかったと証言している。 また、Aは事件の翌日、マスコミが事件を大々的に報道している最中にもかかわらず、テレビ番組の公開放送に参加している。さらに、自白ではAは、凶器のナイフの鞘は自室のゴミ箱に捨てたとされるが、これらの行動は犯人の行動として無防備過ぎる、と若穂井は言う。
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