特殊器台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 05:36 UTC 版)
基本形は筒形で、アルファベットの「I」字のように、上・下端が大きく外側に拡がっている。上端部の縦幅が15センチメートルに達するものもある。下端部も器台を支えるに十分なような台形をしている。 器台の高さは7、80センチメートルから1メートル十数センチメートルに達するものまであって、普通の器台が20センチメートルから40センチメートルほどであるのに比べ、大変大きい。筒部の径も30センチメートルを超え、さらに40センチメートルを超すものもある。筒部にはタガ状の隆起帯が6から10条ほどめぐり、制作時の補強の役を果たすとともに、筒部自体をいくつかに分割・区分することになる。すなわち、毛糸の束を捻ったようなあるいは波が抽象的に描かれているような弧帯文様、あるいは綾杉文・複合斜線文・鋸歯文などからなるヘラ描沈線文様帯と文様のない横書きの沈線文間帯とが交互に繰り返され、筒部全体を彩っている。このように特殊器台には、縦分割の文様と横に走る文様との二種類がある。文様帯には透かし穴が開けられ、弧帯文様の場合には、文様中心部に巴形、上下に扇形ないし三角形となり、綾杉文・複合斜線文・鋸歯文などの場合には縦長の長方形となる。外面全体と口縁部内面に朱が塗られた痕跡を持つものが多いが、その場合、制作時に粘土の輪を積み上げるごとに塗られたものがあり、制作自体が呪術的儀礼の下に行われたことを示している。使用された粘土には特別なものが選ばれ、また角閃石などがしばしば混入され、焼き上がった後の色相は特有の褐色の地肌をしている。
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