物質的存在としての「色」(五蘊の一要素)
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「色 (仏教)」の記事における「物質的存在としての「色」(五蘊の一要素)」の解説
五蘊(パンチャッカンダ)パーリ仏典による 色(ルーパ)物質的存在 四大(マハーブータ)元素 ↓ ↓ ↓↓ 触 (パッサ)接触 ↓ ↑ 識(ヴィンニャーナ)認識作用 →← ← 心所(チェータシカ)精神的要素 受(ヴェーダナー)感受作用 想(サンニャー)概念 行(サンカーラ)志向作用 出典: MN 109 (Thanissaro, 2001)[信頼性要検証] いろ、形あるもの。認識の対象となる物質的存在の総称。一定の空間を占めて他の存在と相容れないが、絶えず変化し、やがて消滅するもの。仏教ではすべてが修行である、禅定を前提に考えられるため、存在はすべて物質的現象と見なされる。物質的現象であるから、諸行無常・諸法無我であり、縁起であるからこのような現象が生じている。 「色・受・想・行・識」の五蘊(ごうん)の一要素。漢訳で「色」と訳されたサンスクリット語のルーパ(rūpa)は、「色彩」とともに「形」という意味も含んでいるため、「いろ」「かたち」で表現される物質的存在という意味が、すべて「色」という漢語の中に集約されている。最初は我々の肉体だけを指していたが、「変化して壊れゆくもの」「他物と同一空間を共有できないもの」「現象として顕現しているもの」などの意味をもち、現代の「物質」に近い概念となった。なお、四大種によって造られた色のことを所造色という。 『般若心経』においては、「色即是空 空即是色(色はこれ即ち空である。空はこれ即ち色である)」等の箇所に用いられている。
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