物流業界におけるラストワンマイルの概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 05:49 UTC 版)
「ラストワンマイル」の記事における「物流業界におけるラストワンマイルの概要」の解説
近年の物流業界の課題は、この「ラストワンマイル」問題に集中している。 配達需要の増加 物流業界では以前から工場からの発送も自動化が推進され、倉庫もロボットなどによる自動化が推進されてきた(自動倉庫)。ところが、配送物を各顧客に届ける最終接点(ラストワンマイル)は今でも配送員頼みの状況が続いている。 オンラインショッピングを使うことが当たり前になり、配送物の数が非常に増加した。更に、近年のオンラインショップ利用者は、昔の宅配便利用者とは異なり、都合の良い時刻に、望みの方法で配達して欲しいと願っている。翌日配達や当日配送というサービスも設定され、それを望む利用者もでてきた。ただでさえ荷物の個数が増えたうえに細やかなサービスを提供するとなると以前よりも大量の配達員が必要になってしまうが、その必要に応えるためのドライバーは不足しており、高齢化も起きており、労働環境が悪化してしまう状況になっている。日本では労働に従事できる年齢の人口は減少しているのに、近年では物流業界の労働環境が悪化している、という状況になると、物流業界に就職・転職する人がますます減ってしまう。(人員不足の悪循環) 再配達 荷物を届けようとしても、受取人が不在で配達できない状況、再配達しなければならない確率も上昇しており、その率はおよそ平均20%、5件に1件の割合になっている。その結果、再配達に労力を充てる必要が出てきて、人員不足に拍車をかけている。再配達の発生のせいで配達の効率が下がってしまっている、とも言える。配達員を増員すればするほど人件費(配達員たちに支払う給料の総額)が膨張し、運送会社の利益率は悪化している。忙しいのにあまり儲からない状態に陥ってしまっているのである。別の角度で言うと、宅配業者に支払われる配送料金の設定が、その業務負荷や潜在的コストに見合ったものになっていない、とも言える。 課題解決のための手法 ラストワンマイルの課題を解決するために、推進されたり検討されている手法には下記のようなものがある。 宅配ボックスの普及の推進 コンビニエンスストアや駅などで荷物を受取とれるサービスの導入 荷物受取のためのロッカー設置の推進(マンション、アパートなどの共同スペース、駅構内など) 配達ドローンの実験
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