漫画トリオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 09:46 UTC 版)
ノックがボケ、フックとパンチがツッコミ。それまでのトリオ漫才は、かしまし娘、フラワーショウ、ちゃっきり娘、三人奴、宮川左近ショーなどのように楽器を用いた音曲漫才だけであったが、ノックが「トリオで正統漫才をやりたい」とこだわって編み出した。 ノックはツッコミのセンスも高く、フックやパンチに対しても、ツッコミの指導を行うなどした。 レツゴー三匹と並び称されるところがあるが、レツゴー三匹が正児とじゅんの正統漫才に長作が歌や合いの手を入れるのと違い、あくまでも3人がタイミングよくネタをまわし続け、休む人物が基本的に発生しない。 例)ノック「今日」パンチ「君(ノック)んとこ行ったけど」フック「おらなんだ」 ノックが米軍に勤務し、パンチがジャズ喫茶に出入りしていたことからテンポを重視する傾向があったものと思われる(フックが代替わりしたのも、初代がノックの理想のテンポについていけなかったからである)。また、ノックがコンビ別れを繰り返し、今のスタイルではだめだ、と考え、新しいスタイルを模索していたことも遠因である。 ネタ自身もその影響が濃く、洋楽や米軍式行進なども取り入れていた。時事ネタも、そのノックの提唱した「新しいスタイル」の一環である。ネタはまず、パンチが左手、フックが右手を斜め上に差し出し、(3人で)「パンパカパーン、パンパンパ、パンパカパン」「今週のハイライト」というブリッジを言って始まる。このブリッジの「パンパカパーン、パンパンパ、パンパカパン」は、フックがバンドマンだった頃に気に入っていた曲の一節だった。「ハイライト」は吸っていたタバコの銘柄からきている。このニュースネタ収集のため各種のニュースに触れていった結果、ノックは政治家への転身を考えるようになる。なお、このネタは旧うめだ花月に近所にあった喫茶店「アメリカン」で3人で考えた。 当時のノックはすでに禿げ上がっていたが、後頭部からヘアピンを使ってナポレオン1世のようなピンカールを付けていた。ところがある時、海外公演があり飛行機に乗ることになったため、探知機に反応しないようヘアピンを外しピンカールかつらを付けることになった。帰国後、それを忘れていたパンチが「ええかげんにせぇ!」といつものように突っ込むとピンカールが客席めがけて飛んでいき、観客は悲鳴を上げた。このピンカールは、ノック・上岡龍太郎司会のトーク番組『ノックは無用!』(関西テレビ)1975年3月31日分において「断髪式」が執り行われ、「この髪形でお金儲けさせてもらったお礼も込めて」とそのまま局舎近所の堀川戎神社へ奉納された。
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