温度標準としての利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:19 UTC 版)
「ウィーン標準平均海水」の記事における「温度標準としての利用」の解説
国際度量衡委員会は2005年に、熱力学温度のケルビン目盛の定義に使われる水はVSMOWの公称組成比を持つと明確に定めた。この決定は2007年に第23回国際度量衡総会の決議第10号として採択された。これは実質的に、VSMOWの三重点を273.16 K(0.01°C)ちょうどと定義することであった。 2019年に行われたSI基本単位の再定義ではケルビンの定義がボルツマン定数に基いて行われることになり、水の物性とは完全に切り離された。三重点は定義値から測定値に変わった。ボルツマン定数の定義値は、三重点の測定値が以前の定義値と現在の計測精度の範囲内で一致するように決められた。 入念に蒸留された高純度のVSMOWは、温度の高精度測定のための参照標準を作製する上で依然として重要である。異なる場所で採取された水試料は、同位体組成の違いにより三重点、密度、沸点、蒸気圧などの物性がわずかに異なる場合がある。雪、河川水、雨水はいずれも直前に海から蒸発した水であるため、水素や酸素の重同位体の含有量が低い傾向があり、三重点もその影響を受ける。正しくない同位体組成の水で温度参照セルを作製すると、三重点の測定で数百マイクロケルビン程度の誤差が生まれる可能性がある。
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