海_(1913年の歌曲)とは? わかりやすく解説

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海 (1913年の歌曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/29 16:49 UTC 版)

」(うみ)は、日本の童謡文部省唱歌作詞作曲は不詳[1]

概要

1913年(大正2年)に発行された『尋常小学唱歌 第五学年用』にて発表された[1]。昼夜の海の情景を歌った曲で、対句を効果的に使用している[1]。なお、同じ文部省唱歌でも1941年(昭和16年)に発表された「海は広いな 大きいな」の歌い出しで始まる童謡「」とは同名異曲である[2]

第二次世界大戦後小学校音楽教科書に掲載され続けていたが、1992年(平成4年)をもって掲載を終了した[1]文化庁日本PTA全国協議会による「日本の歌百選」(2006年)には選ばれなかった[3]が、亀田製菓が設立40周年記念文化事業として選んだ「日本の歌百選」(2000年)には選出された[4]

評価

芥川也寸志は「メロディーは、旋律学の上からみて、まことに完璧」と高く評価した[1]

中村幸弘は「実に長閑な風情」、「落ち着いた雰囲気の、心豊かな生活が見えて」くると評価する一方、「いささか、難をいえば、その風雅さを仕立てすぎていまいか」とした[5]。また、1番の歌詞から九十九里浜を連想したものの、この歌に特定のモデルはなく、「“海”のために必要な和語を集めて、みごとに構成したもの」とまとめた[6]

歌詞

一、

松原遠く消ゆるところ、
白帆の影は浮かぶ。
干網浜に高くして、
かもめは低く波に飛ぶ。
見よ、昼の海。
見よ、昼の海。

二、

島山闇に著(しる)きあたり、
漁火、光淡し。
寄る波岸に緩くして、
浦風輕く沙吹く、
見よ、夜の海。
見よ、夜の海。

楽譜

ヘ長調、4分の3拍子でテンポ=84[7]


\relative c' { \tempo 4 = 84 \key f \major \time 3/4 s1*0^\p f8 g8 a4 a c8 c8 g4 r4 f8 g a4 bes a8 a8 g4 r4 a8 a8 g4 f f8 e e4 d c d e f2 r4 c'8^\mf c8 c4 c bes8 a a4 g f8 g8 a4 d c2 r4 a8 bes8 c4 d c8 d c4 a g8 a8 g4 a f2 r4 c'2^\p a4 f8 a8 g4 c4 a2 r4 d2^\mf c4 a8 bes8 g4 a f2 r4 \bar "|." 
}
\addlyrics { \set stanza = "一" ま つ ば ら と お く き ー ゆ る と こ ろ し ら ほ の か ー げ は う ー か ぶ ほ し あ み は ー ま に た か く し て か も め は ひ ー く く な み に と ぶ み よ ひ る の う み み よ ひ る の う み} 
\addlyrics { \set stanza = "二" し ま や ま や み に し ー る き あ た り い さ り び ひ ー か り あ ー わ し よ る な み き ー し に ゆ る く し て う ら か ぜ か ー ろ く い さ ご ふ く み よ よ る の う み み よ よ る の う み}

脚注

  1. ^ a b c d e 原田 2000, p. 104.
  2. ^ 中村 2007, pp. 163–166.
  3. ^ 文化庁 編『〜親から子、子から孫へ〜 親子で歌いつごう 日本の歌百選』上田信道 解説、東京書籍、2007年5月28日、199頁。ISBN 978-4-487-80180-0 
  4. ^ 原田 2000, pp. 104–105.
  5. ^ 中村 2007, pp. 138–140.
  6. ^ 中村 2007, pp. 139–140.
  7. ^ 文部省 編『尋常小學唱歌. 第5學年用』國定教科書共同販賣所、1913年5月28日、23頁。 

参考文献

  • 中村幸弘『読んで楽しい日本の唱歌II』右文書院、2007年12月20日、285頁。 ISBN 978-4-8421-0097-5 
  • 原田泰治『原田泰治が描く 日本の歌百選』講談社、2000年1月5日、233頁。 ISBN 4-06-262205-X 

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