海相秘書官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 08:31 UTC 版)
海軍省副官兼大臣秘書官は大臣官房のスタッフで、海軍省におけるあらゆる書類の内容を確認する激職であり、実松の後任となる福地誠夫によれば一日で3000の押印が必要であった。実松が補佐した海相は米内光政である。実松の在任時は日独伊三国同盟締結に向けた政治状況にあり、米内や、山本五十六次官、井上成美軍務局長ら海軍省首脳は反対していたため、実松や横山一郎らの副官、秘書官は同盟締結を求める国会議員や右翼団体らの応対にあたる。山本次官の暗殺を謀る動きもあり、海軍省は臨戦態勢を整え、実松らは大臣、次官警護のため実弾を装填した拳銃を準備していた。実松は三国同盟を推進していた陸軍に反感を抱き、その感情は晩年に至っても強かった。2年にわたる任期を終える際の実松について阿川弘之はその著作で「心浮き浮き、・・・所掌事項の申継ぎ等半分上の空」と描写しているが、福地は「秘書官稼業の苦しかったことの同情」がこのような表現になったと指摘している。実際に実松の用意していた申継書類は事細かなものであった。
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