海洋性地殻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:21 UTC 版)
大洋の海底は海嶺で生じ、接続する2つのプレートとなる(海洋底拡大説)。これは双方向に移動し、沈み込み帯で他の海洋または大陸プレートとぶつかり、その下へもぐりこむ。海嶺は、大西洋やインド洋においては大洋の中央部に位置し、それぞれ大西洋中央海嶺、中央インド洋海嶺と呼ばれる。太平洋のプレートはアメリカ沖の東太平洋海膨で形成される。 海洋性地殻は、生じた海嶺からゆっくり移動する。大西洋では年間約4cmの速度で東西に拡大し、太平洋プレートは大西洋の2倍程度の速度で移動する。この地殻部分は海盆または深海底・海底平原と呼ばれる。この地殻に含まれる鉄などの強磁性体は、地磁気の方向に配列されて固まる(残留磁気)。しかし地球磁場は地磁気逆転を起こすなど一定していないため、残留磁気は海嶺を中心に左右対称の縞模様として現れる。この変化から、過去の地球磁場がどのように変化したかを知ることができる。 海洋性地殻が他の地殻と衝突する際には、一方が地球内部に沈み込んで、海盆から約2kmほど深い非対称V字形状の海溝を作る場合がある。地球に存在する海溝27ヵ所のうち22ヵ所は太平洋に存在し、東側の海溝は特に深い。海洋性地殻の沈み込む部分は、太平洋西部の日本列島のように島弧を作る場合と、東部チリ側のように作らない場合がある。
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