海上保安庁の性格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:17 UTC 版)
海上保安庁法第25条の条文で、海上保安庁は軍隊ではないことが明確に規定されている。そのため、シンボルマーク・記章類・制服等は軍隊色をイメージしないものが取り入れられるよう配慮されている。巡視船艇の船舶自体の運航体制は、民間船舶とほぼ同様であり、海上保安業務等は残りの乗組員(職員)により執行される。また停泊中は数名の当直を残し船内もしくは宿舎等で待機する。 しかし、世界的に海軍と沿岸警備隊は共通する部分が多く、制服のデザインも類似しているため他国の沿岸警備隊に準じた制服を採用している日本の海上保安庁も実際には、海上自衛隊を含む各国海軍の軍服に類似しており、世界的に見た場合、一般的に主権を行使できる国境警備隊・沿岸警備隊は「準軍事組織」と認知されるため、海外の報道や資料では、海上保安庁を「準軍事組織」として扱っている場合もある。また、かつて海上保安庁などの統合目的で創設された保安庁への移行時期には、内部組織の海上警備隊(沿岸警備隊)が短期間ながら準軍事組織として存在した。 なお、海上における準軍事組織とは、国際法(国連海洋法条約)の観点から軍艦が定義されており、乗組員についても階級と名簿が必要である。また、海上保安官の階級は船舶に乗り込む行政職員として船長・航海士・機関長・通信士・甲板員(英語版)・主計員などの職責・職務の範囲を示す船員制度に近く、このことからも海上保安庁が準軍事組織であるとは言い難く、資料などによる「準軍事組織」としての扱いは日本の国内事情や法体制などがあまり知られていないことによる。
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