海への想い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 14:46 UTC 版)
丹後半島の荒磯で育った池井にとって、海は身近なものであった。教職を辞した後は、連日自宅のある丹後町中浜周辺から、時には兵庫県にも赴いて海辺を歩き、貝殻を集め、詩作に耽った。1985年3月には砂浜に漂着したココヤシの実に耳をあて、ポチャポチャとした水音に遠くフィリピンのある島から岸を離れ、黒潮から対馬海流にのって礼文島までの道程だったかもしれないと想像するなど、海は池井の詩に様々なインスピレーションをもたらした。1990年(平成2年)には経ヶ岬沖で座礁したナホトカ号重油流出事故を目の当たりにし、めまぐるしい海の環境変化に呆然としつつ、波音に耳を澄ませて幼少期を思いはせたという。貝殻の漂着数が年々数・種類ともに減少していたことから、海の環境汚染の進行を想起し、環境保護にも思いはせた。1996年(平成8年)に発表した詩集『鬼灯貝のうた』に収録された詩篇のいくつかは、1988年(昭和63年)秋にアート・ふじたで開催された「池井保・津田櫓冬詩画展」にも出展された。 池井が15年間で収集した70種約300点の貝殻は、「丹後への漂着貝殻展」として、1999年(平成11)2月に京丹後市立丹後古代の里資料館で展示された。貝殻収集はその後も続けられ、2009年(平成21年)5月にはmixひとびとtangoの一企画として「丹後の海の贈り物 貝の資料館」を開催した。
※この「海への想い」の解説は、「池井保」の解説の一部です。
「海への想い」を含む「池井保」の記事については、「池井保」の概要を参照ください。
- 海への想いのページへのリンク