浮島と高層湿原(ミズゴケ湿原)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 19:53 UTC 版)
「深泥池」の記事における「浮島と高層湿原(ミズゴケ湿原)」の解説
深泥池の南側から水域を隔てた池の中央部分に、池全体の3分の1を占める浮島が存在する。この下には水の流れがあり、島が池に浮いていることが確認されている。この浮島は、標高が水面とほぼ等しいほか、窒素やリンなどの無機塩類がほとんど含まれない貧栄養性の湿原が広がる。ここでは有機物の分解が進まず、枯死した植物が堆積していくために、コケ類を始め多様な植物が生育する絶好の場となっている。 浮島は夏になると浮かび上がり、冬には沈んで冠水する動きを見せる。この特徴により、多様な植物が生育している。ミツガシワやホロムイソウのような寒冷地に分布する植物や、ジュンサイのような各地に自生する植物、タヌキモ (en) やモウセンゴケのような食虫植物、オオミズゴケ、ハリミズゴケ、ヌマガヤ(学名:Moliniopsis japonica)、イヌノハナゴケといった高層湿原(ミズゴケ湿原)の構成種が共存している。 約60種ものトンボが生息しており、これは、日本に分布するトンボが約200種いるなかでその4分の1以上が当地域に分布していることを意味する。また、フナ、ヨシノボリ、スジエビ、クサガメ、ニホンイシガメなどの池に生息する動物や、ヒドリガモやルリビタキを始めとした、晩冬期を中心に170種の野鳥の飛来が確認されている。1930年(昭和5年)には、日本で初めてミズグモが発見されるなど、希少動物にとっての数少ない生息地でもある。
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