波の周期・波長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 00:12 UTC 版)
津波は周期や波長が長いという特徴がある。これは津波の波源域が広く、波長がその影響により決まるためである。一般に水面に見られる津波でない波は、風によりできた風浪である。その風浪の周期は長いものでも10秒程度、波長は通常は150 mくらいである。これに対し津波は、短い周期でも2分程度、長いものでは1時間以上にもなり、波長も100 kmを越す例もある。周期は超長周期地震動と重なる部分があり、潮汐よりは短い。このため、津波が内陸に押し寄せる際の水位の高まりは、あたかも海面自体が上昇したような状態になって、大きな水圧や流れによる破壊力が加わる。また津波が引く際にも、一旦高くなった海面が、沖の低くなった海面に向かって引いていく形になり、やはり大きな破壊力を見せ付ける。実際にもチリ津波では、函館の実例の水位差は押し波が2 m、引き波が3 mであり、引きが強かった。このような場合は押し波で破壊された物や元々は陸にあった物などが海に持ち去られる被害が大きくなる。 津波は通常複数回押し寄せ、10回以上に及ぶこともある。第2波、第3波などの後続波が最も大きくなる傾向があり、その後次第に小さくなっていく。また、第2波、第3波は1時間以上後に押し寄せてくる場合もあり、完全に津波が収まるまでに地震発生から数日を要する場合もある。
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