法律的な問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 16:23 UTC 版)
ゲームエミュレータに関わる最も大きな問題が、ゲームソフトのROMイメージとそれに関わる著作権である。ビデオゲームの世界はまだ歴史が浅く、完全に著作権が失効したゲームソフトというものは、著作権者側が著作権を放棄する等の例外を除いて、まだほとんど無いと考えられる。エミュレータで合法的にゲームを遊ぶには、実際に自分が所有している基板やカセットのマスクROMやEEPROM、NANDフラッシュメモリ等からROMイメージ(BIOSやファームウェア、セーブデータ、更新データを含む)をダンプする必要が有る。プレイステーションなどの光学ディスクはPCで直接読み込めるため、ROMイメージを得やすい。海外では、DMCAなどにより半合法的にROMイメージが配布されている場合もある。 ROMダンプは、ROMダンプ用の機器が比較的安価に入手できるものが販売されているほか、個人で自作できる回路もインターネット上でさまざまなものが公開されている。近年のハードウェアでは、ソフトウェア経由でROMをダンプできるものもある(PSP、3DSなど)。 最近では著作権者側が過去資産を生かす為にゲームエミュレータを使用する動きが進んでいる(公式のゲームエミュレータ)。ユーザーにおいても、手軽に利用できることから、過去のゲームを遊ぶ場合には公式のゲームエミュレータを利用する事が一般的になっている。しかし、権利や表現の問題など、様々なしがらみによって現在では発売不可能と思われるゲームもあり、そのようなゲームを遊ぶには実機を入手するか自分で手持ちのソフトから複製するか、違法を承知でROMイメージをインターネットからダウンロードするか、さもなくば著作権が失効するのを待つ他は無い。違法ダウンロードを行った場合、違法ROM配布サイトのサーバーにダウンロードに関係したアクセスログが残るため、サイトが摘発された際に自分自身も芋づる式に検挙される可能性がある。
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