法という語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 01:10 UTC 版)
ヨーロッパ大陸において「法」ないし「法律」という概念を表す語については、ローマ法の ius に対応する系列(ドイツ語の Recht, フランス語の droit, イタリア語の diritto など)と、lex に対応する系列(Gesetz, loi, legge など)の2種類あり、日本語では、それぞれ「法」と「法律」に訳し分けることが多い。前者は、自然法や一定の法体系を、後者は実定法や具体的な法規範をそれぞれ表す。もっとも、必ずしも厳密に使い分けはされていない。前者の系列は「権利」という意味をも併せ持ち、後者の系列は(日本語の「法律」と同様に)議会制定法の名称としても用いられる。 ちなみに、英語のlawという単語はローマにルーツを持たない。この単語は、北海帝国がイングランドを支配した時代に、デーン人たちが「置かれた物」という意味で用いた古ノルド語が語源であり、これが英語で掟・法という意味で用いられるようになったとされる。したがって、lawという単語だけでは、ローマ起源のiusとlexとの概念が区別できない。英語圏でこの系列を区別する場合は、前者は (the) law を、後者は a law または laws という表現を用いることがあるほか、形容詞形で juristic と legal を使い分けることもある。 漢字文化圏における「法」(正字は「灋」)は、会意文字「水+廌(タイ:羊に似た獣)+去」であり、廌を追い込んで(水+去)自由きままにさせないこと、あるいは廌を水に流して神判を受ける意味。手本とする、手本として倣う意。また仏教ではサンスクリットのダルマ (dharma) の漢訳にあたる。
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