河川の富栄養化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/07 06:02 UTC 版)
現在の高い樹木は水と栄養素の獲得のため、そして植物体の固定のために深い根を必要とする。根は岩盤層を粉砕して、深い土壌層を何メートルにも亘って安定させている。しかしそれとは対称的に、デボン紀の植物には仮根と地下茎しかなく、地表をわずか数センチメートル程度しか貫くことができなかった。土壌の大部分が安定していなかったことから風化が促進され、植物や藻類の栄養分となるイオンが放出された。河川に栄養分が比較的急激に流入したことで富栄養化が起こり、それに続いて微生物が利用可能な酸素を全て使い切る勢いで有機物を分解し、河川水は無酸素状態に陥った。フラニアン期の化石サンゴ礁は低栄養状態でしか生育できないストロマトライトとサンゴが支配的であるため、高濃度の栄養塩の流入が絶滅の原因になったことが推測されている。無酸素状態は寒冷化よりも生物にとって危機的であり、絶滅事変に支配的な要因であった可能性が示唆されている。 また、2004年に放送されたNHKスペシャル『地球大進化〜46億年・人類への旅』の第3集「大海からの離脱 そして手が生まれた」では、乾季にアーケオプテリスの葉が河川中に落葉し、その分解の過程で酸素が消費されたことが淡水域の酸素不足の原因であったと説明されている。
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