汚物処理問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:13 UTC 版)
広九直通列車は1979年4月4日の運行再開以来、中国車輛のトイレには汚物タンクが設置されておらず、汚物は線路上に直接排出されていた。1980年代に入ると、香港東鉄線内の電車化が進み、利用客が増加したため、これらの汚物が問題となっていった。そのため中国国鉄は、九龍から中国本土の石龍駅までの区間で、トイレを施錠して使用禁止にするという対策をとった。なお、香港区間内で汚物タンクのない列車のトイレを使用することは香港鉄道附則(中国語: 香港鐵路附例)第6条に違反し、5000香港ドルの罰金または禁錮6箇月が科される。 1990年代以降、広九直通列車でも汚物タンク設置車輛の整備が進み、2000年から2007年まで運行された中韓合作の25C系客車、スウェーデンから購入した「新時速」X2000型、九龍鉄路が日本から購入したKtt客車などの車輛が導入された。そして2012年12月21日、25T系客車が導入されたことにより、広九直通列車の全列車が汚物タンク設置済みとなった。 2011年2月10日午後、中国政法大学資本研究センター主任の劉紀鵬が、広九直通列車に乗車して香港から中国本土に帰った際、香港区間内で劉紀鵬含む3人の乗客がトイレを利用できず、乗務員に抗議したものの聞き入れられなかった。劉紀鵬はこの出来事を自身のテンセントウェイボー(中国語版)上でつぶやき、「高速鉄道は建設できるのに、汚物処理問題を解決することはそれほど難しいことなのか?」と指摘した。このつぶやきはインターネットユーザーの注目を集め、「南方都市報(中国語版)」、鳳凰衛視等のメディアでも報道された。この問題について中国国鉄の広九客運段は2月11日、「広九直通列車のトイレ改造について現在計画中であり、また今回の事件の原因について早急に対処する」と回答し、同年4月からトイレ改造車を投入することを発表した。
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