水責め椅子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/08 00:08 UTC 版)
"ducking stool"が文書に見られるのは1597年からであり、"cucking-stool"のなまった形として"ducking-stool"が文書に登場するのが1769年からである。すなわち、当初は"cucking-stool"は、恥辱を与えるために晒すための道具であり、水に浸すこと(duck)とは関係なかったが、水責めの要素が入るようになって、"ducking-stool"と呼ばれるようになったと思われる 水責め椅子はオーク材など頑丈な木材製の肘掛け椅子で、水に浸しているときに落ちないよう、鉄製のベルトで固定するようになっている。水責め椅子の最初の記録は、言葉としては1597年であるが、使用が記録されるのは17世紀初頭であり、ヨーロッパのみならず、英領北アメリカでも用いられた。 水責め椅子は、椅子を長い梁の片側に取り付け、シーソー状にして水に浸すようになっているものが一般的である。また、据え置かれたものではなく、街中で晒せるように木製の車輪をつけたものもあった。また、水責め椅子には、荷車様の「肥やし車(tumbrel)」と呼ばれる型のものがある。これは、池のほとりまで押し込んで、片方から力を抜くことにより、椅子を水に落とすと言うものである。 この罰により、時には受傷することがあり、ショック死を起こすこともあった。 最後に記録される刑の執行は、1808年プリマスにおける、ガンブル夫人に対するものや、レオミンスター(英語版)における、1809年悪名高いがみがみ女であるジェニー・パイプスと1817年のサラ・リークの例である。最後の例では、浸された池の水位は浅く、単に晒すことに使用されただけであった。なお、ニュージャージー州の法令としては、判決で放棄されるまで1972年まで有効な刑罰であるという例もあった。
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