水冷「L」シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 05:59 UTC 版)
「スバル・R-2」の記事における「水冷「L」シリーズ」の解説
1971年10月、「EK34型」水冷エンジン搭載の「L」シリーズが追加された。グレード名にも用いられる「L」は「Liquid Cooling」と「Luxury」の頭文字である。ウォータージャケットを装備した新設計のシリンダーブロックを採用。水冷エンジン搭載車はフロントグリル右側にラジエター冷却用のエアインテークが新設され、引き続き設定された空冷エンジン搭載車との外観上の識別点になっている。最高出力・最大トルクは32PS/6,000rpm、4.1kg-m/5,000rpmと、最高出力・最大トルク発生回転数が500rpm引き下げられ、扱いやすくなっている。同時にエンジンの近代化も図られ、温水予熱キャブレター、さらに空冷でのセルダイナモからオルタネーター+スターターモーターに変化した。また、水冷化に伴って温水ヒーターを装備することになり、空冷モデルよりも暖房・換気性能が向上している。 グレードはスーパーLとカスタムLの2種類で展開され、スーパーLは空冷スーパーデラックスに、カスタムLは空冷GLに相当する装備品を採用していた。特筆すべきは、カスタムLのみにドライブシャフトに等速ジョイントを用いていた点で、後輪駆動車で等速ジョイントを採用した例はR-2が初めてであった。 「自信の水冷」のキャッチフレーズで販売を開始した水冷シリーズではあったが、元々水冷化を想定していないR-2に水冷エンジンを搭載したため、冷却配管を室内に通すことができず、苦肉の策としてサイドシル下(車外)に通したことで、配管の腐食や損傷のトラブルが多発した。このため、販売開始から販売終了まで僅か9か月間という販売期間の短さとあいまって残存台数は極めて少ない。なお、後継モデルであるレックスでは、水冷エンジン搭載を前提にした設計がされていたため、冷却配管は室内に通されていた。
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