毒性等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 11:18 UTC 版)
一日摂取許容量は体重1kgあたり0.005mg。摂取した場合には、倦怠感、頭痛、吐き気、多量発汗、視力減衰、縮瞳など有機リン剤に共通な中毒症状がみられる。過去には千葉県でフェニトロチオン複合剤散布直後に水田に入った農夫が死亡した事例や、茨城県で住宅のダニ駆除にフェニトロチオン製剤を使用したところ一家全員に中毒症状が生じ、5歳の女児が死亡した事例がある。 可燃性(引火点157℃)であり、燃焼により窒素酸化物・リン酸化物・硫黄酸化物を含む有毒ガスを生じる。 甲殻類を中心に、水生生物に対して強い毒性を示すほか、ミツバチに影響を及ぼす。養殖場や養蜂地の近辺では、使用に注意を払う必要がある。 自動車の塗装面を侵すため、広域散布や駐車場近辺の散布時には風向きを確認する必要がある。 アブラナ科植物(小松菜、大根、白菜、蕪、ブロッコリー、ストックetc)には薬害が出るので使用しないとともに、これら作物にドリフトしないよう注意して散布する必要がある。また、本剤を散布した器具でアブラナ科作物に農薬を散布しない。止むを得ない場合は当該器具をよく洗浄後、同器具で作物に清水を散布し、薬害の出ないことを確かめて使用する。 散布されるとスミオキソンに変化し、一時的に殺虫力が強くなる。同物質は大気中から検出されてはならないので、特に空中散布する場合は注意を要する。
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