殺到する批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 02:56 UTC 版)
せんとくんの図案には2008年2月12日の発表当初からさまざまな批判が寄せられた。まず従来流行していたゆるキャラとは一線を画したこれまでにないデザインに、一部の人から「気持ち悪い」との声が上がった。奈良の古刹を中心とした仏教界からは、仏に鹿の角を生やしたような姿は「仏様を侮辱している」と異議が唱えられた。なお、図案者の籔内は、以前にも「鹿角童子」の名で童子に鹿の角を生やしたような彫刻をたびたび発表しており、理解を求める意見も寄せられている。 また制作経費が1,018万円にも達したこと、作品から得られる著作権収入の譲渡も含めた制作料として500万円が籔内に支払われたこと、図案を一般公募せずに専門家から募った21案中から、広告代理店を通したコンペで選考されたこと、選考に市民の参加が無かったことなども批判の的となった。 Yahoo!ニュースにて2008年3月3日から3月11日までの9日間行われた世論調査ではこのマスコットキャラクターに対する反対が78 %にもなり、支持の19 %を圧倒した。3月9日からは、キャラクターの白紙撤回を求める市民団体「平城遷都1300年祭を救う会」が奈良市内で街頭署名活動を開始した。 多くの批判を受けた籔内は2008年3月、自身のウェブサイトにおいて、メールで寄せられた20件以上の批判に対する回答を行った。愛称決定翌朝の4月16日にテレビ番組『スッキリ!!』(日本テレビ系列)に籔内が出演して語ったところによると、「私のところに800通以上きているメールで、批判は3割」だったとのことである。籔内はのちに講演会において「匿名で人を攻撃する現在の社会の病を感じた」と述べている。 荒井正吾奈良県知事は2008年3月12日の定例会見で、市民団体らが求めるマスコットキャラクターの白紙撤回は「考えていない」と明言した。
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