死刑囚Fの実名入り本出版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 05:22 UTC 版)
「光市母子殺害事件」の記事における「死刑囚Fの実名入り本出版」の解説
2009年(平成21年)10月、『F君を殺して何になる― 光市母子殺害事件の陥穽 ― 』(Fは当時、上告中だった際の旧姓) ISBN 978-4-9035-3803-7 が出版。これに対し、Fの弁護団側は、同年10月5日に出版差し止めの仮処分を広島地裁に申し立てているが「本は公益を図る目的であり、実名記載に同意していた」という理由で却下された。 この本の著者・増田美智子は「Fに了解を取って実名を公表した」と主張している。しかし、Fの弁護団側は「Fから話を聞いていない」と、双方の主張が交錯しており、F側は「プライバシー権・肖像権の侵害」を理由として出版差し止めと約1300万円の損害賠償を求める裁判を起こしたが、2012年5月23日にでた地裁判決ではF側の主張を一部認めて著者側に66万円の支払いを命じたものの、出版差し止めについては認められなかった。 F側は地裁の判決を不服として控訴していたが、広島高等裁判所は2013年5月30日に「出版による権利侵害は認められない」として地裁判決を取り消す判決を出した。顔写真掲載については「加害者に対する社会的関心は高く、少年法61条を考慮しても報道の自由として許される」と判断。手紙についても「Fは取材に積極的に協力しており、掲載を承諾していたと判断できる」とした。 F側は高裁判決を不服として上告していたが、最高裁第一小法廷(横田尤孝裁判長)は2014年9月25日付で上告を棄却する決定をしたため、広島高裁の判決が確定した。 著者側も「虚偽の主張により名誉を毀損された」としてF側に約1600万円の損害賠償を要求する訴訟を起こしていたが、2012年5月23日に著者の主張を退ける地裁判決が出た。
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