手紙について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 17:31 UTC 版)
「神戸連続児童殺傷事件」の記事における「手紙について」の解説
取調べでは、Aは手紙の文章をよく覚えており、取調官に対し「赤のペンと黒のペンで書いたので、それぞれのペンを貸してくれれば、僕が書いたとおりに再現できます」と話し、取調官はAに白紙と赤、黒のボールペンを渡したところ任意に文章を作成したため、それを資料として本調書末尾に添付した。 この際は「積年の大怨」ではなく「積年の大恐」と書いているが、これを「今書いた文章だと”恐”と書きましたが、僕自身、このときはそのマンガの本を見ながら書いたものであり、僕が覚えていた字ではなかったので、間違っているかもしれません」と説明した。「愚鈍な」という文字は、別の本で読んで覚えていたものであり、「汚い野菜」という表現はA自身の言葉で、Aが小さいころに親から「運動会で緊張するなら、周りの人間を野菜と思ったらいいよ」と言われていたため、周りの人間が野菜に見えてしまうと答えた。「その他、ほとんどの文章は、僕が頭で考えたものであり、テレビで言っているような、何か小説から引っぱり出したといったものではありません」と供述した。 手紙には文章とともにマークが書かれていたが、Aはこれを「僕のマークであり、ナチスドイツの逆卍をヒントにしたのです」と供述している。ナチスドイツの逆卍はテレビで見たことがあり、A自身もヒトラーの『我が闘争』を読んでおり、マークは小学生の頃に作ったものだった。 英語で「SHOOLL KILL」と書いたのは、その時はこれで「スクールキラー」と呼ぶものだと思っていたためその通りに書いた。手紙を書いた用紙は部屋にあったスケッチブックで、手紙を包んだ紙も同じスケッチブックの紙だった。包んだ紙の表に「酒鬼薔薇聖斗」と赤いペンで書き、その名前の下に同じマークを黒のペンで書いた。裏面には何も書かなかった。 「酒鬼薔薇聖斗」とは、小学校5,6年生の頃に「悪い方の僕自身に僕が付けた名前」だった。「酒鬼薔薇聖斗」のマークも作っていたが、若干デザインが異なっているものの手紙に書き添えたマークは「僕自身」のものだった。このため取調官はAに「酒鬼薔薇聖斗のマークもあると言いながら、なぜこの時は君のマークを付けたのか」と尋ねたがAは「分かりません」とだけ答えた。これらの文章は一晩で一気に書き上げられた。
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