歌学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/12 14:13 UTC 版)
「歌学校(Singschule)」は教育機関ではなく、誰でも参加可能な公開の歌唱コンクールである。通常年1回、日曜日ないし祭日の午後の礼拝のあとに催された。 組合は自前の建物を持っておらず、宗教改革によって使用されなくなった教会など、歌学校の会場を求めて市内各所を転々とした。歌学校を屋外で開催することもあった。 ニュルンベルクでは、1572年より南の市壁沿いの聖マルタ教会が多く使われ、1620年からは聖カタリーナ教会が使われるようになった。 歌学校は点呼から始まる。開催の数日前に最年少のマイスターが会員の元に赴き、その旨を伝える。出席できないマイスターは、人を立てて理由を申し述べる義務があった。 歌学校には、「自由歌唱」と「本歌唱」の2部門がある。 自由歌唱(Freisingen) 本歌唱に先立って行われるもので、テーマに制約がなく、審査や表彰もなかった。したがって褒賞は聴衆の拍手のみであったが、ときには金品が送られる場合もあった。自由歌唱が終わると全員の斉唱を経て本歌唱に移った。 本歌唱(Hauptsingen) テーマは宗教歌に限られ、芸術性の高さではなく、規則からの逸脱の少なさを競った。採点は持ち点7の減点方式により、同点者がある場合は「決定戦(Ver)Gleichen」となる。 優勝者(Übersinger)には、竪琴を手にしたダヴィデ像をかたどり、金メッキを施した3枚の銀メダルのついた鎖「ダヴィデの勝者(Davidsgewinner)」が、準優勝者には、絹の造花を編んだ花環が授与された。これらはそれぞれ次回の歌学校まで受賞者が保持した。また、優勝者には次回の歌学校で記録席に立ち入る権利が認められた。
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