構造と脱線防止の仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/09 05:50 UTC 版)
「脱線防止ガード」の記事における「構造と脱線防止の仕組み」の解説
脱線防止ガードは線路の内側にガードレール等を敷設して地震等で車両が大きな揺れを受けても脱線しないようにするものである。 ガードの大きさや材料は色々あるが、一般的にはレールに似た細長い形のものが多い。脱線防止ガードは護輪軌条またはガードレール、もしくは補助レールなどと呼ばれることもあり、実際にレールそのものが使われることも多い。レールとレールの間にレールと少し離れて設置される。車輪はレール面を転がり、車輪のふちの出っ張り(フランジと呼ばれる)はレールの内側とガードの間を進む。 列車の脱線時の車輪の動きにはレールを乗り越えていくものと、レールの間に落ちるものの2種類が同時に生じる。脱線防止ガードは後者の動きを妨げて、レール上を走るように押し戻すことで脱線を防止する。一般に車輪は軸で結ばれているから、後者の動きを妨げることは同時に前者の動きも妨げる。 橋梁など、脱線転覆により重大事故を引起すような場所にあっては脱線しても逸走することのないようにレールの内側や外側にさらに軌条を敷設する、この場合は脱線そのものを防止する役割でないので、前述のものより走行するレールと護輪軌条の間隙が大きいのが特徴である。 曲線で極度の速度超過があった場合、これを設けてあったとしても脱線防止の効果は期待できない。極度の速度超過では、遠心力で車体がカーブ外側に転倒するため、カーブ内側の車輪が浮いてしまう(当然レールにも脱線防止ガードにも接触しない)ためである。 脱線した車両の台車。この画像では手前の車輪がレールを乗り越えて、奥の車輪がレールの内側に落ちている。脱線防止ガードは奥の車輪がレール内に落ちないように働き脱線を防ぐ。 車輪の動き。出っ張っているのがフランジ
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