構造と結合分子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 17:15 UTC 版)
ビンキュリンは、タンパク質であり、分子量は最初、130kDaと発表されたが、現在は117kDaとされている。 ビンキュリンのドメイン構造は、N末端側の90kDaの頭部、C末端側の25kDaの尾部、それらをつなぐ5kDaのリンカー領域(英語では「neck」(首)と呼ぶ)からできている。 頭部は酸性で、約110アミノ酸残基の2回(線虫)または3回(脊椎動物)の繰り返し構造があり、テーリン(talin)、αアクチニン(α-actinin)、αカテニン(α-catenin)に結合する。 リンカー領域はプロリンに富み、ビネキシン(vinexin)、血管拡張薬促進リンタンパク質(vasodilator-stimulated phosphoprotein)、ポンシン(ponsin)、アクチン重合の核形成因子Arp2/3に結合する。 尾部はアルカリ性で、F-アクチン , パキシリン(paxillin)、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸 (PIP2)に結合する。 ビンキュリンは、不活性な状態では、ビンキュリンの頭部と尾部が結合し、細胞質に存在する。この時、上記の結合分子とは結合していない。活性化されると、ビンキュリンの頭部と尾部の結合が離れ、頭部、中央のリンカー領域、尾部の3つの部位は上記の結合分子と結合し、細胞膜裏打ち部分に集まり、結合装置を作る。ビンキュリンを活性化の仕組みは、現在、論争中である。
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