概念の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 23:12 UTC 版)
ネットワーク中立性の概念は、インターネットに関する議論以前から存在し、電信の時代には既に存在していた。1860年に成立した電信を助成する法律 (Pacific Telegraph Act of 1860) では、次のように記されている。 任意の個人、会社、企業から受け付けたメッセージ、あるいはこの線のいずれかの端に接続した任意の電信線から受け付けたメッセージは、受け付けた順番に公平に送られるものとする。ただし、政府の急報は例外的に優先されるものとする。 —An act to facilitate communication between the Atlantic and Pacific states by electric telegraph, June 16, 1860. 1888年、アルモン・ブラウン・ストロージャー(英語版)が自動電話交換機を発明し、不公平な電話交換手を介さないで済むようにした。 2003年、コロンビア大学法科大学院教授ティム・ウー(英語版)が論文 Network Neutrality, Broadband Discrimination の中でネットワーク中立性の規則を提案し、この概念が広く知られるようになった。この論文では、アプリケーション間の中立性、データおよびQoSが要求されるトラフィックに関する中立性を検討し、これらの潜在的課題に対処する立法を提案している。2005年から2006年にかけて、ケーブルテレビ業者、消費者、インターネットサービスプロバイダを巻き込んでネットワーク中立性とインターネットの将来についての議論が行われたが、2006年までマスメディアはこれを完全に無視した。 2010年8月、Googleとベライゾンは、「完全な」ネットワーク中立性にはどちらも反対であるという合意に達した。合意した内容には以下の規則が含まれている。 ユーザーが自ら選択した合法なコンテンツの送受信を妨げることはできない。 ユーザーが自ら選択した合法なアプリケーション実行やサービス利用を妨げることはできない。 ネットワークやサービスに損害を与えず、サービスの盗用を容易にせず、他のユーザーのサービス利用を妨げない範囲において、ユーザーが自ら選択した合法なデバイスを接続することを妨げることはできない。 そして、携帯電話会社などの無線ISPは中立性を求められないとした。その時点で無線ネットワークに関しては検討中とされた。
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