業務用ネオジオ:MVS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 01:36 UTC 版)
詳細は「Multi Video System」を参照 従来は、ゲームセンターの業務用ゲーム機(アーケードマシン)でのゲーム内容の差し替えは内部基板の交換に依っていた。しかし、基板が嵩張ることから製造や流通のコストを押し上げる要因ともなっており、また小さなゲームセンターにとっては、ゲーム内容の入れ替えが大きな負担となっていた。 この問題に対して業務用ゲーム機メーカーのSNK側が出した回答の一つが、家庭用ゲーム機のように、汎用のハードウェアを作成し、ソフトウェアをロムカセット化した上で、ゲーム機内のスロットに投入する事で、簡単にゲームの差し替えを行えるようにするという物だった。システム基板とソフトウェアの供給媒体との分離自体は1980年代にすでに確立されており、データイーストのデコカセットシステムやカプコンのCPシステムなどで既出の手法だったが、供給媒体をカートリッジとして交換を容易にしたほか、1台の基板で複数のソフトウェアを導入し切り替えることが可能な作りにするという独自の要素を導入した。また、初期タイトルのソフトウエアは3万円程度と、媒体がカートリッジ(カセット)だったため業務用としては非常に安価に設定された。この価格は、初期の家庭用のソフトウエアと同額である。 これにより開発され、1990年に発売された業務用ネオジオである、通称「Multi Video System」(略称:MVS)では、アーケードゲームとしての一般的な販売手法の他に、設置を希望する店舗に無償で筐体を貸し出しその収益を徴収するという独自の手法を取った。またソフトウェア交換が楽な上に1台のゲーム機で複数ゲームを提供できる事から、スーパーマーケットなどに併設されているような小規模なゲームコーナーや、玩具店・書店・駄菓子屋の店頭にゲーム機を設営する際に、その省スペース性が受けて普及した。特に青いフードが目印のSCシリーズはローラーも付いており移動性にも優れた。なお、後期型の1カートリッジタイプを除けば、ソフトウエアごとのインカムを別々に集計する機能が備わっているため、不人気タイトルを容易に特定でき、適切なタイトル変更が行える仕様だった。 日進月歩の歩みでハードの移り変わりが激しいこの業界で、2004年までに家庭用ネオジオと共に14年間にわたりソフトを供給した。
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