植物体の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 06:39 UTC 版)
植物体の大部分は、地下茎や匍匐茎の形で地下または水中を水平に伸長しつつ、よく分枝する。地生種は、光合成のため地面に葉を広げるが、タヌキモ属の植物体で、立ち上がるのは基本的に花茎のみである。水生種は二通りの形態がある。一つは水面直下を浮遊するタイプである。もう一つは、水深のごく浅いところで匍匐茎を展開しながら、水底の泥中に、捕虫嚢はあるものの葉緑素を持たず、葉は着かない地下茎を伸ばすタイプである。どちらも根やそれに代わる器官をもたない。茎からは種によってさまざまな形態の葉を展開する。例えばミミカキグサ類ではヘラ状の葉をつけるが、タヌキモ類では糸状の裂片をつける。また、一部の種は蘚類や常に水の流れる岩上に、着生植物として生活している。ヒメタヌキモ(U. minor)は匍匐茎と地下茎が基本的な形態であるが、浮遊する系統や、生育環境が地生と着生の二通り、形態も地下茎ありとなしの二通りが確認されている変種チビヒメタヌキモ(U. minor f. terrestris)がある。 水生種の大型で目立つ捕虫嚢は、獲物を捕獲していることが発見される前は、浮き袋の役割を担っていると考えられていた。実際に浮き袋を持つ種類もあり、花茎の基部で放射状に配置されている。 種によっては、分枝の先端に殖芽とよばれる越冬芽を形成して、無性的に繁殖する。殖芽は裂片が折り重なった球状の形態をとる。植物体が枯死した後に水底に沈んで、次の春に発芽する。またエフクレタヌキモ(U. inflata)のように、塊茎を形成して繁殖する種もいる。
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