殖芽とは? わかりやすく解説

しょく‐が【殖芽】

読み方:しょくが

水生植物形成する栄養分蓄えた分離して生息適地にて発芽すると、新し個体となる。ヒルムシロ・タヌキモ・ムジナモなどに見られる


殖芽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/06/23 23:39 UTC 版)

タヌキモの殖芽

殖芽(しょくが、Turion)は、主に水生植物が形成する、栄養分を貯蔵したである。ヒルムシロ属タヌキモ属ムジナモなどで見られる。越冬芽(えっとうが)ともいう。

概要

通常、気温の低下や日長の減少など、植物の生育に不適な条件に置かれると形成されやすい。そのような環境シグナルを受けると殖芽を発達させることが多い。形成された殖芽は、好適な条件に置かれると発芽し、生長を開始する。そのため、植物体そのものは一年で枯れる場合でも、殖芽で冬を越す植物は多年草として扱われることが通例である。殖芽は、糖分などの栄養分を貯蔵する器官としても有用である。また、フミン酸のある条件下では、より殖芽を形成しやすくなるという知見もある。

殖芽をつける位置は植物によって異なるが、クロモヒルムシロのように葉腋につくる植物が多い。ただしガシャモクの殖芽は地下茎に形成されるほか、タヌキモ属の各種は葉の先に球形の殖芽を形成する。またマルバオモダカのように、本来花をつける部位から殖芽を生じる偽胎生(Pseudovivipary)のような例もある。

殖芽はもとの植物体から容易に脱落し、無性的な繁殖体として散布されることも多い。主に水流によって散布されることで、生息域を拡げるのに貢献していると考えられるが、殖芽の分散能力、定着率などについての研究は少ない[1]

脚注

  1. ^ 井上みずき「散布型クローナル成長(ムカゴ・殖芽など)植物における分散と空間構造 : 非散布型クローナル成長(地下茎・葡匐枝・送出枝)植物との比較」日本生態学会誌 57(2) pp.238-244


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