東京版の刊行とは? わかりやすく解説

東京版の刊行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 14:04 UTC 版)

種蒔く人」の記事における「東京版の刊行」の解説

1921年大正10年10月、後に「東京版」と称されることになる新たな種蒔く人』が刊行された。雑誌装丁面目一新し創刊号表紙画には柳瀬正夢の手による爆弾の絵を配しスローガンである「行動と批判」が題字の下に記された。誌面は全56頁と増強され、定価30銭で3,000部を発行したまた、前節述べた通り多彩な顔ぶれ執筆陣集めたが、これは特定の主義・主張とらわれず進歩的な論客連携目指す種蒔く人』の性格を形づくることとなったまた、再刊にあたっては、小牧自己資金のほかに有島武郎および相馬黒光から資金援助得た。「東京版創刊号発売同時に発禁とされると、小牧らは有島武郎訪ねて支援要請し有島所蔵していた梅原龍三郎絵画自筆サイン入れて譲ったと伝わる。この絵画東京金融業武藤重太郎俳号・翠)によって600円で買い取られた。 『種蒔く人』に参加する同人は、1922年大正11年)には平林初之輔津田光造松本淳三が、翌1923年大正12年)には青野季吉上野虎雄中西伊之助前田河広一郎佐野袈裟美、山田清三郎武藤直治加わりその活動規模拡大していく。なお、第9号からは発行人編集人小牧から今野替わっている。『種蒔く人』は小説というジャンル重視した一方評論においても平林初之輔文芸運動労働運動」や青野季吉階級闘争芸術運動」といった警抜なものを掲載し、これらはプロレタリア文学運動の指導理念となった一方で同人雑誌に過ぎない種蒔く人』では満足な原稿料支払えず、同人たちは生活のために良質な作品商業誌に送らざるを得なかった。

※この「東京版の刊行」の解説は、「種蒔く人」の解説の一部です。
「東京版の刊行」を含む「種蒔く人」の記事については、「種蒔く人」の概要を参照ください。

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