札幌線休止問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 07:42 UTC 版)
2007年1月には、当空港唯一のジェット便であった札幌(新千歳空港)線を運航する日本航空インターナショナル(旧日本航空ジャパン)が、同路線を2007年10月より休止することを決定し、長野県へ通告した。日本航空はこの休止の理由をMD-87の退役に伴う代替機が用意できないためとしていた。長野県(信州まつもと空港利用促進協議会)や松本青年会議所では、運航存続を求める署名運動で合わせて15万人を超える署名を集め、2007年2月7日までに日本航空へ提出した結果、長野県が日本航空へ支援金を支払うことなどを条件として、同路線を存続させることで合意に至った。運航は子会社の日本エアコミューターへと移管、意外な形で同社初の北海道路線誕生につながった。なお機体はMD-87からDHC-8-400に変更され、13年続いた当空港のジェット機定期運航が後述のフジドリームエアラインズ(FDA)就航まで消滅した。 この合意により、札幌線は2007年9月まで毎日1往復運航されていた福岡便を週3往復に減便した上で、残る4日分の運航を札幌線に振り替えるという措置によって存続される形となった。このため、福岡方面への利便性が低下することから、日本航空側では引き続き毎日運航される大阪線を利用して福岡へ乗り継ぐ乗客に対し、運航時刻の調整や乗継割引の導入で便宜を図ると説明している。札幌線と福岡線は便数を減らすことによって、大阪線は乗り継ぎ客を見込むことによって、松本空港における全体的な座席供給数は減るものの、利用率と収益性においては改善が図れるとしている。このダイヤ改正により2005年度の利用率が42.3%と低迷している大阪線の利用者が増加した場合、増便させる考えもあると説明している。ただし、これらの措置の詳細については今後検討することとされている。長野県と日本航空との合意には、羽田再拡張に伴う機材配備が整う時期を目途として早期の復便を誠意を持って検討する、という内容が盛り込まれている。 なお、減便当月の2007年10月の利用者数は7136人(前年同月比6168人・46.4%減)。路線ごとの利用者数・利用率の内訳は以下の通り(括弧内は前年同月比)。 札幌線 2301人(週7往復 定員134人→週4往復 定員74人)・88.8%(12.6ポイント増) 福岡線 1230人(週7往復→週3往復)・69.3%(12.7ポイント減) 大阪線 2691人・61.6%(2.2ポイント増) 国際チャーター便 914人
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