本多勝一の主張と片岡正巳の反論
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「朝日新聞珊瑚記事捏造事件」の記事における「本多勝一の主張と片岡正巳の反論」の解説
本多勝一は、『朝日ジャーナル』1989年(平成元年)6月4日号の連載エッセイ「貧困なる精神」で、「サンゴ落書き捏造事件を考える」と題し次のように主張した。 今回の事件に対する反応のなかには見当ちがいがいくつかあるのですが、〈略〉これを報道写真家なり新聞社なりの全体におしひろげて非難したり反省したりする傾向です。『だからカメラマンは』とか、『だから朝日新聞の連中は』と一般化して論ずるやりかた。これは〈略〉何のみのりももたらさぬばかりか、問題の本質をはぐらかすことになります。 〈中略〉 たとえば『サンデー毎日』六月四日号の記事「なぜ『朝日』に『ねつ造記者』が出るのか!?」は、「朝日新聞問題に詳しい評論家の片岡正巳氏」(私は全く知らない人物だが)の発言として「朝日は常習犯ですよ」と書いています。ねつ造や《でっちあげ》については、日本の中でも特別に朝日新聞社が「常習犯」なのですか。『サンデー毎日』の会社としての毎日新聞社はいかがですか。当の片岡氏がつづいて挙げている事例は、捏造とは何の関係もありません。これでも「評論家」がつとまるのでしょうか。もし《でっちあげ》「常習犯」のマスメディアの代表をあげるならば、それは第一に株式会社文藝春秋ではありませんか。 — 「貧困なる精神」1989年(平成元年)6月4日号「サンゴ落書き捏造事件を考える」(太字は原文通り、《》は原文では傍点) 「片岡氏が挙げている事例」とは、以下の8点である。 伊藤律会見報道事件 朝霞自衛官殺害事件 最高裁判所裁判官会議での不正確記事で最高裁に陳謝 朝日新聞東京本社が下水道に垂れ流していた六価クロムに関する報道の不当性 朝日記者の警視庁富坂警察署署長への暴行事件 朝日記者が建設業界トップの会談場に盗聴器を設置した事件 支那事変で渡河する帝国陸軍の煙幕を毒ガス使用の証拠写真だとして掲載した事件 支那事変での匪賊の生首写真を南京大虐殺証拠写真とした事件 本多の主張に対し片岡は、「いったい誰が本田カメラマンのサンゴを傷つけてまでのでっちあげ写真を、写真家全体に一般化しているというのか」、と本多が問題のすり替えをしていると指摘した上で、「捏造の事例ではなく、「サンゴ損傷捏造写真事件」のような事態を惹起する驕りの体質が朝日にある」として上記の例を挙げたと反論した。 唐突に文藝春秋を批判の槍玉に挙げていることについて、片岡は「支離滅裂の傲慢さ」と批判している。
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