有限要素の管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:21 UTC 版)
「ザナドゥ (ゲーム)」の記事における「有限要素の管理」の解説
本作における敵およびアイテムの数は有限であり、戦闘などにおける乱数要素も極力排されている。プレイヤーはアイテムの利用方法を常に取捨選択しなければならず、ゲームデザイン用語としてのリソース管理やトレードオフの概念が、必然的にプレイヤーにも適用される。 リソース管理の例 極端に数の少ないアイテムが存在するため、使用を意図的に制限する必要がある。 熟練度を増加させるアイテムをゲームの序盤で取り過ぎると、終盤で入手する武器や魔法の熟練度を上げることが困難になる。 モンスターと接触すると、1~9体のモンスターと戦闘することになるが、その最後のモンスターを武器で倒すとアイテムが出現する。魔法で倒すとアイテムは出現しない。そのため容易にモンスターを倒せる集団攻撃魔法を使うと、アイテムが取れないことが多い。 塔の外では、同じモンスターは通常4回出現し、すべて倒すと二度と出現しなくなる。なお、出現する4回はそれぞれ能力値や持っているアイテムが異なる場合がある。特に最初は容易に倒せるのに、3回目や4回目は格段に強くなっている場合がある。 塔の中のモンスターは、一度倒すと二度と出現しなくなる。 トレードオフの例 冒険を円滑に進行させるためには、レベルアップによるHPの増強が必要になるが、同時にFoodの消費量も増大する。 経験値を蓄積するためにはモンスターを倒す必要があるが、後に入手する武器防具の熟練度を上昇させるためにモンスターを残しておく必要がある。しかし序盤にモンスターを倒さなければ、高価な武器防具を購入することができない。 ボスキャラや重要アイテムなどが置かれている塔の中を探検するには鍵を消費する必要に迫られるが、鍵の値段はレベルアップに伴い上昇するため、キャラクターが低レベルの時期に買いだめするのが望ましい。しかしレベルが低いと敵を倒すことが困難で、購入資金を集めるためにレベルを上げざるを得ない。 このように多数の要素の管理能力がゲームクリアの瞬間まで問われる。一般的なコンピュータRPGの解法としての繰り返し型攻略や、アイテム蓄積によるパワープレイが強く制限されるため、詰将棋やパズルゲームと似た難易さが生じている。反面、要素を数理的に捉え管理することで、ザナドゥをシミュレーションゲームとして遊ぶ方法論も提示されている(「ザナドゥ・データブック」)。 続編であるシナリオIIでは、これらの有限要素が緩和されたものの、後述の新たな制限が導入されている。
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