月面基地
月面基地の建設場所は、「極点」付近が有力
月面基地を建設する場所はどこでもいいというわけではありません。地球に面する表側の赤道近くでは、半月の昼と夜が交互におとずれ、夜の間のエネルギー供給の点で問題があります。天体観測に有利な月の裏側でも同様の問題があるほか、地球と交信しにくいという難点があります。建設ロボットを遠隔操作するためにも、交信が確保されなくては困ります。そこで有力視されているのが、「極点」付近です。地球も太陽も見えるという安心感があり、宇宙船の離発着時の利便性など、有利なことも多いのです。極点をはさんで2つの地点に太陽エネルギー発電プラントをつくれば、エネルギーの安定確保が可能です。やがて月の裏側に建設されるであろう観測基地へのアクセスも容易になることでしょう。
基地建設は、無人でも数年はかかる大事業
建設候補地が決まったら、そこへロボットと原料を送りこみます。人間が居住できる施設をつくるとしたら、アポロ宇宙船で60回以上もの往復しなければならない計算になります。無人基地はそれより少ない往復回数ですみますが、それでも数年間はかかるというたいへんな道のりです。無人の月面基地が完成したら、各種の研究・実験が始まります。並行して有人基地化の準備が進められます。酸素や水、食料などの製造プラント、熱制御設備、居住モジュールなどの建設で、大規模な資材と建設作業が必要となるでしょう。
居住施設となる円筒形モジュールは大部分が地中に埋め込まれる
居住・実験・生産のための施設は、軽量で丈夫な素材でつくられた直径5m×長さ15mほどの円筒形のモジュールをシャトルに搭載して、1つずつ打ち上げ、月面上で連結します。モジュールの大部分は地中に埋めこまれます。モジュールを安定して設置するためだけでなく、太陽から降り注ぐ宇宙線から人体を保護するためでもあります。小さな窓には厚いガラスが何重にもはめこまれることでしょう。モジュール内の与圧と生活のためには、エネルギー、酸素、食料や水が必要です。その多くは地球から運搬・補給されることになりますが、月面でのリサイクルも考えられるでしょう。
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