最高ウエイト表現とは? わかりやすく解説

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ウェイト (表現論)

(最高ウエイト表現 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/13 14:00 UTC 版)

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表現論という数学の分野において, F 上の代数 Aウェイト: weight)とは,A から F への代数準同型英語版である,あるいは同じことだが,AF 上の1次元表現である[要出典].それは乗法的指標英語版の代数の類似である.しかしながら,概念の重要性は,リー環表現への,したがって代数群リー群表現への,その応用から生じる.この文脈では,表現のウェイト固有値の概念の一般化であり,対応する固有空間ウェイト空間と呼ばれる.

動機づけと一般概念

ウェイト

対角化可能行列の集合 S であって,任意の2つが可換な場合,S のすべての元を同時に対角化することができる[note 1][note 2].同じことであるが,有限次元ベクトル空間 V の互いに可換な半単純線型変換の任意の集合 S に対して,V の基底をS のすべての元に対して同時固有ベクトルになるように選ぶことができる.これらの共通の各固有ベクトル vVEnd(V) の自己準同型の集合 S によって生成される部分代数 U 上の線型汎関数を定義する;この汎関数は U の各元に固有ベクトル v の固有値を対応させる写像として定義される.この写像は乗法的でもあり,恒等写像を 1 に送る;したがってそれは U から基礎体への代数準同型である.この「一般固有値」はウェイトの概念のプロトタイプである.

概念は群論における乗法的指標英語版のアイデアと密接に関係している.これは G から F乗法群への準同型 χ である.したがって χ: GF×χ(e) = 1(ただし eG単位元)と

G のすべての元 g, h に対して χ(gh) = χ(g)χ(h)

を満たす.実際,GF 上のベクトル空間 V作用していると,G の各元に対する同時固有空間は,存在すれば,G 上の乗法的指標を決定する:群の各元のこの共通の固有空間上の固有値である.

乗法的指標の概念は F 上の任意の代数 A に,χ: GF×線型写像

χ: AF, χ(ab) = χ(a)χ(b) (a, bA)

に置き換えることによって,拡張できる.代数 AF 上のベクトル空間 V 上に任意の同時固有空間に作用しているとき,これは A から F への A の各元をその固有値に送る代数準同型に対応する.

Aリー環(一般には結合代数ではない)であるとき,指標の乗法性を要求する代わりに,リーブラケットを対応する交換子に送ることを要求する;しかし F は可換であるからこれは単にこの写像がリーブラケットで消えること:χ([a, b]) = 0 を意味する.体 F 上のリー環 gウェイトは,線型写像 λ: gF であってすべての x, yg に対して λ([x, y]) = 0 となるものである.リー環 g 上の任意のウェイトは導来環 [g, g] 上消えるから可換リー環 g/[g, g] 上のウェイトを誘導する.したがってウェイトは主に可換リー環に対して興味が持たれる,その場合可換な線型変換たちの空間に対する一般固有値の単純な概念に帰着する.

Gリー群代数群のとき,乗法的指標 θ: GF× は微分によってそのリー環上のウェイト χ = : gF を誘導する.(リー群に対して,これは G の単位元における微分であり,代数群の場合は導分の概念を用いた抽象化である.)

リー環の表現のウェイト空間

ウェイトの集合の中で,いくつかは表現のデータに関係する.V を体 F 上のリー環 g の表現とし,λg のウェイトとする.このとき V のウェイト λ: hF(ただし hgカルタン部分環)のウェイト空間とは,部分空間

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。2017年1月

最高ウエイト表現

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 08:24 UTC 版)

ヴィラソロ代数」の記事における「最高ウエイト表現」の解説

ヴィラソロ代数最高ウェイト表現とは、 L 0 v h = h v h , L n v h = 0 ( n ≥ 1 ) {\displaystyle L_{0}v_{h}=hv_{h},\quad L_{n}v_{h}=0\quad (n\geq 1)} を満たしC v h = c v h {\displaystyle Cv_{h}=cv_{h}} ( h , c ∈ C {\displaystyle h,c\in \mathbb {C} } )となるようなベクトル v h {\displaystyle v_{h}} によって生成されるベクトル空間である。このとき L 0 {\displaystyle L_{0}} の固有値である複素数 h {\displaystyle h} を最高ウェイト呼びベクトル v h {\displaystyle v_{h}} を最高ウェイト h {\displaystyle h} の最高ウェイトベクトルと呼ぶ。(注意通常表現と言った場合にはリー代数から E n d ( V ) {\displaystyle \mathrm {End} (V)} への準同型写像 ρ {\displaystyle \rho } のことであるが、ヴィラソロ代数表現論においては上記v h {\displaystyle v_{h}} によって生成される表現空間 V {\displaystyle V} そのもの最高ウェイト表現と呼ぶことが多い。また表現記号 ρ {\displaystyle \rho } は省略して、よく ρ ( L n ) v {\displaystyle \rho (L_{n})v} を L n v {\displaystyle L_{n}v} と表記する。またヴィラソロ代数の元としての C {\displaystyle C} とその固有値 c {\displaystyle c} とに同じ文字 c {\displaystyle c} が使われることもある。) ヴィラソロ代数最高ウェイト表現は以下の形のベクトル L − n 1 L − n 2 ⋯ L − n l v h ( n 1n 2 ≥ ⋯ ≥ n l > 0 ) {\displaystyle L_{-n_{1}}L_{-n_{2}}\cdots L_{-n_{l}}v_{h}\quad (n_{1}\geq n_{2}\geq \cdots \geq n_{l}>0)} の線形結合によって張ることができる。またこの形のベクトルがすべて線形独立であるとき、その最高ウェイト表現をヴァーマ加群英語版)と呼ぶ。これらのベクトルはすべて L 0 {\displaystyle L_{0}} の固有ベクトルであり、その固有値h + ∑ i = 1 l n i {\displaystyle h+\sum _{i=1}^{l}n_{i}} である。従って最高ウェイト h {\displaystyle h} のヴァーマ加群L 0 {\displaystyle L_{0}} の固有空間によって分解され固有値 h + n {\displaystyle h+n} ( n ∈ N {\displaystyle n\in \mathbb {N} } ) の固有空間次元は n {\displaystyle n} の分割数 p ( n ) {\displaystyle p(n)} となる。またこのときの n {\displaystyle n} をその固有空間レベルと呼ぶ。 最高ウエイトベクトル v h {\displaystyle v_{h}} によって生成される最高ウエイト表現 V h {\displaystyle V_{h}} には以下の条件によって定まる不偏内積 ( ⋅ , ⋅ ) : V hV h → C {\displaystyle (\cdot ,\cdot ):V_{h}\otimes V_{h}\rightarrow \mathbb {C} } が定義される: ( L n w 1 , w 2 ) = ( w 1 , L − n w 2 ) , ( v h , v h ) = 1 , w 1 , w 2 ∈ V h . {\displaystyle (L_{n}w_{1},w_{2})=(w_{1},L_{-n}w_{2}),\quad (v_{h},v_{h})=1,\qquad w_{1},w_{2}\in V_{h}.} 最高ウエイト表現の2つベクトルレベル異なるとき不変内積について直交する。どの複素数の組 ( h {\displaystyle h} , c {\displaystyle c} ) についても、既約最高ウェイト表現一意的に存在する

※この「最高ウエイト表現」の解説は、「ヴィラソロ代数」の解説の一部です。
「最高ウエイト表現」を含む「ヴィラソロ代数」の記事については、「ヴィラソロ代数」の概要を参照ください。

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