ライオン・エア
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/22 02:23 UTC 版)
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設立 | 1999年 | |||
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ハブ空港 | スカルノハッタ国際空港 ジュアンダ国際空港 ハサヌディン国際空港 ングラ・ライ国際空港 |
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マイレージサービス | Lion Passport | |||
会員ラウンジ | Lion King Lounge and Simba Lounge | |||
親会社 | en:Lion Air Group | |||
保有機材数 | 78機 | |||
就航地 | 48都市 | |||
本拠地 | インドネシア ジャカルタ | |||
代表者 | Rusdi Kirana (CEO) | |||
外部リンク | www |


ライオン・エア(Lion Air)は、インドネシアのジャカルタを本拠地とする格安航空会社である。エアアジアに次ぐアジア第2位の格安航空会社で、フラッグキャリアであるガルーダ・インドネシア航空を抑え、国内線シェアでトップを誇る。
歴史
- 1999年10月、インドネシア初の格安航空会社として設立された。
- 2000年6月30日、リース導入したボーイング737-200型機を使用し、ジャカルタ-デンパサール、ジャカルタ-ポンティアナック間で営業運航を開始した。
- 2003年、島々の小規模な空港を結ぶリージョナル航空会社として、ウイングス・エアを設立した。
- 2007年7月6日から、他の全てのインドネシアの航空会社とともに「安全性に問題がある」として、欧州委員会によりEU域内への乗り入れ禁止の措置が下された[1]。
- 2011年、IATAに加盟を申請したが、低い安全評価を理由に加盟を認可されなかった。
- 2011年7月19日、低い定時運航率(66.45%)に対する制裁により、13機の航空機が運航停止となった。
- 2011年11月18日、ボーイング737 MAX型機201機、ボーイング737-900ER型機29機の大規模発注を発表した。この発注の規模は、217億ドル相当、合計230機となり、民間航空会社による歴代最大の発注となった[2]。
- 2012年1月、パイロットと乗組員の一部が、クリスタルメタンフェタミンを所持していることが判明したため、制裁を科された。
- 2012年、マレーシアに出資してマリンド・エアを設立した。設立にあたって、マリンドエアにボーイング737-900ERをリース契約で貸し出した[3]。
- 2013年、フルサービスキャリアの子会社として、バティック・エアを設立した。
- 2013年3月18日、240億米ドル相当で、エアバスA320、A321型機合計234機を発注。この大型発注には、フランス大統領のフランソワ・オランドも立ち会った。
- 2013年、タイに「タイ・ライオン・エア」を設立し、同年12月にバンコクのドンムアン空港を拠点に就航した[4]。
- 2014年1月8日、航空会社を評価するサイト[5]において、全世界の航空会社を比較調査した結果、安全性においてメルパチ・ヌサンタラ航空と同じ2つ星の低い評価を受け、448会社中ワースト10にランキングされた[6]。
- 2016年6月16日、安全性に対する評価が改善され、欧州連合によるEU圏内への飛行禁止措置が解除された[7]。
- 2017年6月、ボーイング737 MAX 10型機50機を、62億4,000万ドル相当で発注した[8]。
- 2018年6月には、ICAOの監査を受け、良好な安全性評価を獲得した[9][10]。
運行機材
ライオン・エアが運行している機材は以下の航空機で構成される:
機種 | 座席数 | 機材数 | 備考 |
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ボーイング737-800 | 189席 | 21機 | |
ボーイング737-900ER | 215席 | 47機 | ローンチ・カスタマー |
ボーイング737-9 | 215席 | 2機 | |
エアバスA330-300 | 440席 | 4機 | ハッジ渡航者用 |
エアバスA330-900 | 436席 | 4機 | ハッジ渡航者用 |
ライオンエア・グループの機材
ライオン・エアグループはボーイング737-900ER型機の製造開始初号機(PK-LFG)から200機を超える大型発注をしていて、ボーイング社における同型機の大口顧客となっている。同型機は2011年4月21日に43機目を受領した-900ER(機体番号:PK-LHQ)以降はスカイインテリアを採用。-900ER型機の初期生産されたPK-LFF、LFGの2機は胴体塗装がボーイング社がテスト飛行などで使用したボーイング社のデモンストレーション塗装のまま運用されている。
ライオン・エアグループに対するボーイング737NGシリーズの引き渡し50機目(PK-LHY)、60機目(PK-LJO)、70機目(PK-LJZ)、80機目(PK-LKP)、90機目(PK-LKV)、100機目(PK-LOF)も(80機目と90機目は-800型、以外は-900ER型)それぞれは尾翼や胴体などにボーイング社によってメモリアル塗装などを塗装された特別塗装機となっている。
また同社が発注したボーイング社製旅客機の顧客番号(カスタマーコード)はGPで、737-9GPERなどと表記される。
ライオンエア・グループ発注中の機材:
就航先
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの定期便が運休、減便、経路変更となっている。
地域 | 国 | 就航地 |
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東南アジア | インドネシア | ジャカルタ/CGK、アンボン島、バリクパパン、バンダールランプン、バンダ・アチェ、バンジャルマシン、バタム島、ブンクル、バリ島、ビアク島、ゴロンタロ、ジャンビ、ジャヤプラ、カイ諸島、ケンダリ、クパン、コモド、マカッサル、ロンボク島、マカッサル、マナド、マノクワリ、メダン、メラウケ、パダン、パレンバン、パル、パンカルピナン、プカンバル、ポンティアナック、サマリンダ、ソロン、スラバヤ、スラカルタ、タラカン、タンジュンパンダン、テルナテ、ティミカ、ジョグジャカルタ |
マレーシア | クアラルンプール、ペナン島 | |
東アジア | 中国 | 杭州、福州、広州、深圳、三亜、西安 |
中東 | サウジアラビア | ジッダ |
2023年7月現在[16]
事故、インシデント
ボーイング737-900ERやボーイング737MAXなどの最新機材を導入しているが、数多くのインシデントが発生している。
- 2009年2月23日 - リアウ諸島州バタム島で車輪が出ず、胴体着陸したが負傷者なし。
- 2013年8月6日 - 892便(ボーイング737-800、PK-LKH)がゴロンタロの空港に着陸した際、滑走路から外れて、牛をはねた。負傷者はなし。
- 2013年4月13日 - インドネシアのバンドンからデンパサールに向かっていた904便(B737-800(登録番号:PK-LKS/製造番号:38728/ラインナンバー:4350))がデンパサール国際空港の滑走路09手前の海に着水し大破。乗員7名・乗客101名の計108名のうち46名が負傷した[17]。当該機は同年2月に初飛行し、受領したばかりの新造機であった。
→詳細は「ライオン・エア904便着陸失敗事故」を参照
- 2013年9月30日 - 775便(ボーイング737-900ER PK-LFM)がマナドの空港において駐機中、補助動力装置の故障により空調が動作せず機内が高温となり、乗客が非常口を開けてしまうトラブルが起きた。
- 2018年10月29日 - スカルノ・ハッタ国際空港発デパティ・アミール空港行きの610便(ボーイング737 MAX 8)が、離陸12分後に海へ墜落した。乗客乗員189人が搭乗していたが全員が死亡した[18]。ボーイング社による設計ミスが原因である。ライオン・エアとしては初めて乗員乗客全員死亡という大惨事となり、また同時に737の事故としては最も多くの死者を出した事故になった。
- 2019年2月16日 - スカルノ・ハッタ国際空港発スパディオ空港行きの714便(ボーイング737-800/PK-LPS)が、スパディオ空港への着陸時にオーバーランした。事故当時、非常に強い雨が降っていたと報告されている[19]。
関連項目

- ウィングス・エア
- バティック・エア - バティック・エア・マレーシア
- タイ・ライオン・エア
脚注
- ^ “EU removes ban against Batik Air, Citilink, Lion Air”. The Jakarta Post. (2016年6月17日)
- ^ Burruss, Logan. “Boeing sets record with $22 billion order”. CNNMoney 2025年8月22日閲覧。
- ^ “マレーシアのマリンド・エアウェイズ、3月22日から運航”. FlyTeam. (2013年3月12日)
- ^ “ライオン・エア、タイにもLCC「タイ・ライオン」を設立へ”. FlyTeam. (2013年9月27日)
- ^ AirlineRatings.com
- ^ “Qantas the safest airline”. AirlineRatings.com. (2014年1月8日)
- ^ “EU Lifts IranAir, Indonesia's Lion Air from Safety Blacklist | Jakarta Globe” (英語). Jakarta Globe 2025年8月22日閲覧。
- ^ “Lion Air Places $6.2b Order for 50 Cutting Edge Boeing Passenger Jets”. Jakarta Globe. 2025年8月22日閲覧。
- ^ “Indonesia plane crash: Lion Air was rated seven stars, upgraded to top safety tier in June” (英語). The Indian Express (2018年10月29日). 2025年8月22日閲覧。
- ^ “Safety upgrade for Bali airlines” (英語). PerthNow (2018年6月8日). 2025年8月22日閲覧。
- ^ Lion Air Fleet - AirFleets.net
- ^ Lion Air Fleet Details and History - PlaneSpotters.net
- ^ Our Fleet - LionAir
- ^ Boeing, Lion Air Finalize Historic Order for up to 380 737s Feb. 14, 2012
- ^ Lion Air orders 234 A320 Family aircraft - Airbus - 18 MARCH 2013
- ^ Out Network - Lion AIr
- ^ Accident: Lionair B738 at Denpasar on Apr 13th 2013, landed short of runway and came to stop in sea The Aviation Herald - Apr 13 2013
- ^ “インドネシア 旅客機が墜落か”. NHK News Web. (2018年10月29日) 2018年10月29日閲覧。
- ^ “Lion Air plane skids off runway at Indonesian airport”. channelnewsasia.com. 2018年2月16日閲覧。
外部リンク
固有名詞の分類
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