最初の容疑者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 08:30 UTC 版)
「鈴ヶ森おはる殺し事件」の記事における「最初の容疑者」の解説
警察は殺害の動機を痴情のもつれと判断。おはるには大勢の愛人がいたが、愛人のひとりであったK(当時36歳)が逮捕された。Kは妻子がありながら、2・3年前から被害者との関係を続けていたが、最近になって被害者の側から別れ話を切り出され、悶着の末、40円の手切れ金を取って別れていた。しかしまだ未練が残っており、折を見てよりを戻そうと考えていた。 捜査員の厳しい追及に耐えかねて、5月30日になって、Kは犯行を認めた。自白によると、事件当日は、友人と浅草で酒を飲んだのち、ふと思い立って砂風呂旅館に被害者を訪ね、一杯飲みながら連れ出して言い寄った。しかし被害者が拒んだことから喧嘩となり、暴れて騒ぐおはるを黙らせようと後ろから抱きついて左手を首にかけて右手で口を抑えていたところ、死んでしまっていた。殺すつもりではなかったため驚いたが、復縁の見込みがないならいっそ殺してしまおうと考え、持っていたナイフで遺体を損壊したうえで、ナイフは海に捨てて逃げ帰ったおはるの遺体を海に遺棄しようとするが、重くて鬼子母神堂の敷地内までしか運べず、そこで陰部などを突き刺して恨みを晴らして逃げた、というものであった。 この供述にもとづいて警察が捜査したところ、物証たるナイフは発見できなかったものの、友人と酒を飲んだことと当日夜に被害者を連れ出したことは確認されたことから、起訴されるに至った。法廷では犯行を否認したものの、状況証拠が揃っていたことから取り上げられなかった。
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