普遍アントロポゾフィー協会
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「アントロポゾフィー協会」の記事における「普遍アントロポゾフィー協会」の解説
普遍アントロポゾフィー協会は1923年の創立に際して同年各国に組織された自立した邦域協会を前提としていることから、これを機能的には“国際”アントロポゾフィー協会と呼ぶことができる。しかしシュタイナーは、創立集会において新しく設立されるべき協会を“普遍”アントロポゾフィー協会 (Allgemeine Anthroposophische Gesellschaft) と呼ぶことを提案した。この「普遍的な」という意味のドイツ語の形容詞 allgemein は「一般的な」という意味でもあり、Allgemeine Anthroposophische Gesellschaft は「一般人智学協会」と訳されることもある。 初代理事長に就任したルドルフ・シュタイナーによって提案され、1923年の創立時に採択された15条から成る協会定款の第1条は、普遍アントロポゾフィー協会の本質を最も端的に表現している。 アントロポゾフィー協会は、個人と人間社会の中で内的な生活を精神世界の真の認識に基づいて育成する意志を持った人間の“集まり”であるべきである。 この表現からも明らかなように、協会の会員は必ずしも人智学という特定の思想の信奉者である必要はなく、「内面生活(独: das seelische Leben)を認識に基づいて育成していこうという意志」が重視される。会員になるために求められる条件については後述する。 アントロポゾフィー協会の会員は世界78ヶ国に約5万人おり、各会員は地理的条件や学問的・芸術的興味を背景として協会内で支部(独: Zweig)、あるいはグループ(独: Gruppe)を構成している。特に会員数の多い国では邦域協会(独: Landesgesellschaft)という自立したドメスティックな組織を結成する(この場合、その国の支部やグループは邦域協会に包括される)。そして例外的に、これらの邦域協会ならびに支部・グループに属さない会員、すなわちアントロポゾフィー協会に直接的に属している個人会員がいる。それゆえにアントロポゾフィー協会は「邦域協会、支部・グループならびに個人会員によって構成される」という表現を用いる。 また、協会の特性として、宗教組織ではなく研究振興組織であるということ(協会定款第9条)、政治参加を協会の課題(目的)としていないことや、いわゆる秘密結社ではないこと(いずれも同第四条)などが挙げられる。
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