普遍二次形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 06:49 UTC 版)
すべての正の整数を表すことのできる二次形式は普遍 (universal) であるという。ラグランジュの四平方和定理によれば w2 + x2 + y2 + z2 は普遍である。ラマヌジャンはこれを一般化して、 aw2 + bx2 + cy2 + dz2 の形の二次形式が普遍となるような係数の組 {a, b, c, d} を54個見つけている。具体的には、 {1,1,1,d}; d = 1-7 の7個 {1,1,2,d}; d = 2-14 の13個 {1,1,3,d}; d = 3-6 の4個 {1,2,2,d}; d = 2-7 の6個 {1,2,3,d}; d = 3-10 の8個 {1,2,4,d}; d = 4-14 の11個 {1,2,5,d}; d = 6-10 の5個 の計54個である。ただ一つの例外を除く全ての正の整数を表す二次形式も存在する(たとえば係数 {1, 2, 5, 5} に対応する二次形式は 15 以外の全ての正の整数を表す)。最近では15・290定理(英語版)によって普遍二次形式が完全に特徴付けられた。これは「全ての係数が整数の二次形式が普遍であるための必要十分条件は 290 以下の全ての整数を表すことである」および「整行列をもつ二次形式が普遍であるための必要十分条件は 15 以下の全ての整数を表すことである」という内容である。
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