普及と懸念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/13 07:59 UTC 版)
「母体血清マーカー検査」の記事における「普及と懸念」の解説
1990年代半ばより国内に普及した。1998年には、国内7つの施設だけで、2万1708人の妊婦が検査を受けた。1999年4月28日、厚生省の出生前診断に関する専門委員会は、「医師は検査の存在を妊婦に積極的に知らせたり、すすめたりするべきではない」という見解を示した。母体血清マーカー検査により安易な中絶が増えかねないという意見がある一方で医療情報公開の必要性を訴える意見が対立していたが、当時は検査を受ける妊婦のカウンセリング体制が十分ではないことより、医師が検査を勧めたり、企業が検査に関する文章を作成したり配布することは望ましくないとされた。同時に妊婦側から検査に関する情報提示の希望があれば、検査の問題点を含めて十分な説明を行って理解に努めるよう求めた。この勧告後一時的に検査は減少したが検査を求める妊婦側の要望は強く2003年には国内54施設だけで年間1万5000人以上の妊婦が検査を受け増加傾向とされた。周知が進み、検査を希望する妊婦が増えたためとされ、カウンセラーの養成など医療側の体制作りの必要性が指摘された。2012年には、2万2469人が検査を受けた。高齢出産の増加で出生前診断への関心が高まったことが背景とされる。2013年、さらに精度の高い新型出生前診断も日本国内で検査受諾が開始され、検査の選択肢が増えた。 イギリスでは2004年より全妊婦に対して、スクリーニング検査の1つとしてこの検査が導入された。 フランスでも、2013年現在ダウン症などのスクリーニング目的で全妊婦を対象に、無料で母体血清マーカーとNT(nuchal translucency)を組み合わせた検査が実施されている。この検査は妊婦への事前説明なしに実施されており、検査に陽性になってから初めて対象者に検査の詳細が説明される。将来的により高精度の新型出生前診断に変更することが検討されている。
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