昔のフレーズの使い方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 08:25 UTC 版)
「ロックンロールの起源」の記事における「昔のフレーズの使い方」の解説
韻を踏む「ロッキング・アンド・ローリング」のフレーズは、元々海兵隊によって早くも17世紀には使われていた言葉で、前後の「縦揺れ(rocking)」と左右の「横揺れ(rolling)」とが組み合わさった洋上船舶の動きを説明するものだった。1821年の航海記録や1835年の軍事誌などにその言及例がある。 1830年代に書かれたエマ・ウィラード作詞、ジョセフ・フィリップ・ナイト作曲の賛美歌「たゆとう小舟(Rocked In The Cradle Of The Deep)」が19世紀末-20世紀初頭にかけて幾度か録音された。その頃までには、宗教的含蓄のある霊歌でも「ロッキング・アンド・ローリング」というフレーズがアフリカ系アメリカ人によって使用された。 1881年4月25日、カナダではコメディアンのジョン・W・モートンが黒人を真似て、コミックソングの一環で「Rock and Roll」という曲を演奏した。 1886年にはジョニー・ガードナーのオーストラリア公演でコミックソング「Rock and Roll Me」が披露され、ある新聞評論家はガードナーを「とても彼がおどけていて、大勢の観客が笑い声で縦横に揺れた(rocked and rolled)」と記した。 「ロッキング・アンド・ローリング」のフレーズで知られている最古の録音が「The Camp Meeting Jubilee」で、1896年から1900年にかけて録音されたエジソン・メール・カルテットとコロンビア・カルテット双方の盤が存在する。そこには"Keep on rockin' an' rolling in your arms(お前の腕を縦横に振り続けろ)/rockin' an' rolling in your arms"という歌詞が入っている。また「ロッキング」は、特定の宗教儀式で礼拝者が感じた精神的携挙を説明するのに使われており、その伴奏音楽によく出てくるリズムに言及する際にも使用されていた。 同じ頃、この用語は世俗的な文脈でも例えば鉄道列車の動きを説明するのに使われていた。それはまた鉄道を敷設する男達によって、作業ペースを維持する目的で岩に穴を開けるハンマーを振り下ろす際などに歌っていたことが示唆されている。そのほか性的な文脈でも「ロッキング」と「ローリング」は個別又は一緒に使用されていた。英語圏の作家達は数百年にわたり"They had a roll in the hay"や"I rolled her in the clover"というフレーズを使っていた。
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