日本神話(高天原神話)における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 02:58 UTC 版)
「女神」の記事における「日本神話(高天原神話)における役割」の解説
性差が存在することによって、一神教のような男性優位の社会を主張する流れとは異なる物語の形成に繋がっている。例として、イザナギ・イザナミの婚姻譚において、男から先に声をかけなかったために失敗したといった流れがあり、一見すると男性優位の物語として語られているように見えるが、その後、産まれた男神であるヒルコを廃し(流し)、女神たるヒルメを立てているところは女性優遇といえるものであり、河合隼雄は著書『中空構造日本の深層』において、男性優位と女性優位の物語を交互に語らせることで、カウンターバランスを成立させ、男女が互いに欠点を補い合うことで安定化を図っているとした社会思想を神話によって語らせているとしている。またアマテラスとスサノオの「清い心を示す勝負」では、男神を生み出したアマテラス=女神に対して、女神を生み出したスサノオ=男神を勝たせている。女神の存在は、一方の性を優遇するといった一辺倒な社会の否定に繋がっているともいえよう。 『神皇正統記』に「陽神(おかみ)陰神(めがみ)」と表記されているように、陰陽思想の下では女神は「陰」に比定される(『神統記』内では陰神の表記が度々用いられている)。また、日本では女神の呼称の他に「姫神(ひめがみ)」という言葉を用い、これに対して男神を「彦神(ひこがみ)」と呼称する(『広辞苑 第六版』岩波書店より)。
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