日本律令制における白丁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 23:17 UTC 版)
日本の律令制度下では無位無官の公民、すなわち庸と調を負担した正丁・老丁男子を指し、「ハクテイ」と呼ばれた。 官人出身法制においては蔭子・位子以外の者、すなわち本来の白丁に加えて位子以外の内位六位から八位の官人の庶子、外位・初位(内位を含む)・雑任等無位の官人の子(嫡子・庶子は問わない)が含まれる。このうち内位八位以上の庶子及び郡司(大領・少領)の子については兵衛になる資格を有していたが、他については無位無官の公民である白丁と同様の扱いを受けた。また、戸令には(地方の)里長・(都の)坊長は白丁の中で任に堪えうる者から任じるようにとする規定がある。 官司に雇われる場合には都に出て中央官司の舎人に採用されて勤務した後に叙位を受けるか、国衙の在庁官人として勤務の後に叙位を受けた。または帳内・資人などの皇親・貴族の従者を勤めた後に叙位を受ける例もあった。更に戦争での武勲や文章生・明法生などの学生に及第することによって、無位から昇進することもあったが四位がほぼ最高位であり、それ以上の昇進はなかった(多くの場合は子孫に位子の資格が与えられない初位に留まったとされる。また、特殊な叙位の例としては蓄銭叙位令による叙位や財物貢献・瑞祥報告による叙位もある)。後にこうした規定も空文化されていくことになる。 また、官司の雑務に就いていても、白丁である限りは租庸調などの租税は免除されなかった。 京都三大祭りの一つ、葵祭では「路頭の儀」として、天皇陛下の勅使が参加する行列の中、白いかみしも姿で傘や沓といった調度品を持つ姿が再現されている。
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