日本人名のローマ字表記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 02:23 UTC 版)
「国語審議会」の記事における「日本人名のローマ字表記」の解説
従来、日本人名のローマ字表記は姓と名の位置を逆に配置して「名-姓」の順に表記する習慣が有った。欧米の人名の順序に合わせたこの表記法は、明治期の欧化政策の時代に浸透したとされる。平成期においてもこの方式は広く採用されており、日本国内の英字新聞や英語教科書においても多く使用されている。しかしながら、必ずしも全てがそうではなく、「姓-名」順の表記を採用するもの、通常時には「名-姓」順の表記を使い殊に歴史上の人物や文学者などに限って「姓-名」の順とするものの例も有った。1999年に文化庁により行われた「国語に関する世論調査」では、中国人や韓国人の場合は英文での表記が「姓-名」と自国の順番と同様の表記が多いことを例に挙げ、英文における日本人の姓名表記方式について尋ねた。これによると、『「姓-名」の順で通すべきだ』(34.9%)、『「名-姓」の順に直すのがよい』(30.6%)、『どちらとも言えない』(29.6%)という結果が得られた。翌2000年に国語審議会は「姓-名」順の表記が望ましいとする答申をまとめ、これを受けた文化庁により通知がなされた。これにより2002年度版の全ての中学校の英語の教科書では「姓-名」の順の表記法となった。 2019年5月には第4次安倍内閣 (改造)の柴山昌彦文部科学相により政府においても「姓-名」順の表記を使用することが提案された。9月の閣僚懇談会においてこの方針に合意がなされ、国の文書における「姓-名」順の表記への変更が定められた。同年10月には第4次安倍内閣 (第2次改造)の萩生田光一文部科学相により、2020年の1月1日から日本政府の公文書において「姓-名」順の表記を原則とすることが発表された。
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