日本の骨角器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 16:07 UTC 版)
日本列島ではローム層が有機物をのこしにくい地層(日本考古学用語では「土層」)であるため、動物遺体と同様に先土器時代からの出土はまれである。縄文時代早期以降、出土量は膨大に増えるが、それでも酸性土壌を中和する貝塚や水漬けされて酸素の供給のない低湿地遺跡からの出土が主である。 とくに日本の縄文時代では、関東地方から北海道にかけての太平洋岸や河川・湖沼を中心に、骨角製の銛や釣り針などの漁労具の著しい発達がみられ、高度に発展した漁業・漁撈活動の様相がうかがわれる。 縄文時代には鹿角(ニホンジカ、エゾシカ)、ニホンカモシカの角、シカ、イノシシの四肢骨、イノシシやクマの牙、イノシシ、ヒトの歯などが加工され骨角器として利用された。これらは素材ごとに形状や性質が異なるが、鹿角が特に大きな素材であるため多用された。ニホンジカの個体は3歳以上で枝角が角化して完成し、やがて脱落する。鹿角は狩猟により捕獲された個体の頭骨に付属する場合と採集により得られたものがある。
※この「日本の骨角器」の解説は、「骨角器」の解説の一部です。
「日本の骨角器」を含む「骨角器」の記事については、「骨角器」の概要を参照ください。
- 日本の骨角器のページへのリンク