日本における賞与に係る判例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 06:05 UTC 版)
賞与は支給日在籍者のみに支給する旨の定めについて、「当該支給日に在籍している者に対してのみ賞与が支給されるという慣行が存在し、就業規則の改訂はその慣行を就業規則に明文化したにとどまるものであって、当該支給日前に退職した者への不支給について、その内容において合理性を有するものであり、賞与について受給権を有しない」とし、支給日前に退職した者に賞与を支給しなかった就業規則の規定を有効とした(大和銀行事件、最判昭和57年10月7日)。任意退職者は退職日を任意に設定できるためである。 賞与の支給について一定率以上の出勤率であることを要件とする場合に、労働基準法等において保障されている各種の権利に基づく不就労(年次有給休暇、生理休暇、産前産後休業、育児時間、労働災害による休業ないし通院、ストライキ等)を出勤率・稼働率算定の基礎とすることは、当該権利の行使を抑制し、各法が労働者にそれぞれ権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる場合、公序良俗に反し無効であるとする(東朋学園事件、最判平成15年12月4日。もっとも本件では賞与額の算定において、産前産後休業の日数分や勤務時間短縮措置の短縮時間分(不就労期間)を、欠勤として減額の対象と扱ったこと自体は、「直ちに公序に反し無効なものということはできない」とした)。
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